サルフェイ
2013/04/23 21:41
※捏造満載※
いつかの君が告げた
“僕は、君を絶対に裏切らない____”
いつかの君が囁いた
“ねぇ、僕たちのしている事は間違っていないよね____”
いつかの君は苦しんだ
“僕はもう、どうすればいいかわからないよ____”
それでも君は、僕のそばに居てくれたのに。
手を振り払う事なんて、拒絶することなんて、絶対に有り得なかった筈なのに。
「フェイ、」
ああ、君が憎らしい。君を変えた松風天馬が憎らしい。サッカーも、大人たちも、この世界の何もかもが憎くて憎くて仕方ないのに。
「・・・フェイ、聞こえないのかい?」
胸の中心にいつまでも残る、たった一人。
黒くても、濁っていても、淀んでいても。
君だけは汚れないと、光を纏うように僕の中に居るのに。
“サル、僕は戻らないよ。天馬たちと戦う。君をきっと、救ってみせるから”
すり抜けたら、もう戻らない。
こぼれたものは、痛みと悲しみと愛しさ。君は冷たくて哀しい瞳で僕を見て、そして去っていく。
止める術は、いくらでもあったはずなのに。
それをしなかったのは、僕の中のほんのヒトカケラの迷いのせい。
君にはずっと、綺麗なままで居て欲しいから。
どんなに返り血で紅く染まっても、復讐の闇で黒く濁っても。君だけは、僕の光で居て欲しかったから。
良心なんて、もうとっくに無い。僕は傲慢で貪欲で我が儘な生き物だ。
君のためじゃない、僕のため。ねぇ、フェイ、君はもう僕から解放されるべきだ。
そう、強く想うのに。
「フェイ、・・・フェイ、聞こえないのかい・・・?」
力に縋って、どれだけ声を君に届けても、離れた心は返らない。
どれくらいの距離が、僕たちの間に広がったのだろう。
ねぇ、答えてよ。フェイ、君は僕を裏切らない。最期のそのときまでずっとそばに居ると、誓ったはずだよね。なのにどうして、君は。
「・・・僕のためだなんて、とんでもない嘘を吐くようになったものだね・・・」
フェイ、君が居なくなって僕は淋しさを知ったよ。
(瞳を閉じて)
(誓う、チカウ、奪い返す)
(僕のそばに居てよ)
******************
めんどくさいSARU様が書きたかったんです(笑)
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