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*第10話


 闇は深く光は遠いこの場所は、とても静かだった。それゆえに、彼は揺れる木々の音で目覚めたのかもしれない。ゆっくりと身を起こした男性は、気だるそうに目元を擦ってくあ、と欠伸を噛み殺す。
 細く鋭い眼光が一番初めに映したのは、彼自身の腕だ。

「――お目覚めですか、我が主」



魔女が示す道




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