Q&A
 

12/10/08 Mon (12:24) ● top

15万打企画で募集しました、当サイトのさまざまに関する質問への回答です。
全てに回答するまでに半年もかかりました、ほんとすみません…
その間で本編で触れた質問、今後の展開にかかわる質問については、勝手ながら回答を控えさせていただいております。

超小話付きの軽いものばかりですが、はしやすめにどうぞ!

下のカテゴリからそれぞれリンクしております。


12/03/06 Tue (16:45) ● マニュアル恋愛

柊へ


悠里の第一印象は?

「初めて見た時、か。たしか、会計から逃げてたときにぶつかったんだよな」
「そうそう。俺は、やばい食堂じゃないってちょう焦ったんだぞ」
「なんだよ、それ…」

お前が噂の転校生か、とぞくっとするような低音で囁いてきた生徒会長。たしかに噂に名高い氷の生徒会長の名に相応しい表情だったのを覚えている。

けれど。

「お前を気に入った、って。もうちょっと感情込めていわないと、不自然だろ」
「焦るだろ、俺だって予期せぬイベントだったんだから」

こんなことを言っている男の偽りの台詞に騙されるほど、柊は甘くない。その瞳の奥に何ら感情が灯っていないことに、柊はすぐに気付いた。会計やら副会長、その親衛隊たちに追い回されていた柊を、気の毒そうに眺めていた目線にも。

「(まあ、)」

と、柊はひとりごちる。

「…綺麗なやつだと、思ったけど」

聞こえなかったらしい悠里が聞き返してきたけれど、柊は笑ってごまかした。




12/03/06 Tue (16:42) ● マニュアル恋愛


悠里へ


甘党な悠里さんですが、最近おススメのスイーツを教えてください!


「俺あれ好き。こないだ柊が買って来てくれたやつ。新発売のゼリー」
「ああ、あれか。今度また買って来てやるよ」

結構な甘党である悠里は、一人ではイメージの関係もあってなかなか買いにいけないらしい購買の新発売スイーツをことのほか好んだ。このあいだも生徒会に差し入れとして買っていってやったなかならちゃっかり甘そうなそれをチョイスしているのを思い出す。

「食堂のプリンうまいよな。俺甘いもの苦手だけど、あれは好き」

すっかり溜まり場になっている悠里の
部屋のソファの上に寝っ転がってポテトチップスなんていうイメージとは似ても似つかないものを食べていた雅臣が、そんなことをいいながらさっそく一袋目を空にしたらしい。悠里は甘そうな砂糖まみれのドーナツを齧りながら、あああれは確かにうまい、と同意をしている。

「でも前リオンのまえでそれ言っちゃったら、次の日にはダース単位で届いたから、しばらくはいいかな」
「ああ、あの時」

困り果てた声で電話して来た悠里に手伝ってくれと泣きつかれ、仕方なしに大量のプリンを掻き込んだのを思い出す。食堂で作られるそれは、賞味期限がたいへんに短いのだった。

「甘いものばっか食ってて、飽きない?」
「そのためにポテチとかがあるんだろ」

氷の生徒会長がそんなことを言いながらジャンクフードを食べていると知ったらおそらく周りの人間はひどく驚くのだろう。
ドーナツをやめてポテトチップスに手を延ばした悠里をカメラを構えて狙う弟の後頭部を裏拳で殴ってから、柊は小さく笑った。

「…ま、悠里らしいけど」
「僕、最近どういう目で悠里さんをみればいいのかわからなくなることがあるよ」

そういって遠い目をした椋に、悠里はよくわかっていない顔で首を傾げていた。



12/03/06 Tue (16:40) ● きみをよぶ


シルヴァへ


今までで一番スグリにひやっとさせられたのはいつ?

「一番、ひやっとしたのか…」

スグリの体の弱さというものは、今までシルヴァが今まで出会ったことのない類のものだった。いまは夕飯を作るのだと言ってシルヴァを台所から追い出して待ってて、といってなにやら怪しい物音を立てているかれだけれども、具合の悪い時はそうもいかない。

本格的に雪が降り始めたころ、スグリは前触れもなくばたんと倒れてしまったことがあった。心臓がとまるくらいに驚いて、かれを抱えてアザミの家へ走ったのを思い出す。

あのような思いをするのは、もうごめんだ。結局数時間後には目を覚まし、元気に話し出したからそのときはよかったけれど、かれが目を開くまでのあいだシルヴァは生きた心地がしなかった。握った手がそのまま冷えてしまうのではないのかと、ひどく怖かった。

「シルヴァ?」
「スグリ…」

体調は、平気か。台所の方まで行ってそうかれに尋ねれば、心配性だなあとでも言いたげな顔をしてスグリはなんども頷いた。いくら心配してもし足りないくらいには危なっかしいかれは、本人が自分の病状に慣れてしまっているのがよろしくない。倒れて運ばれても、放っておいても何時間かしたら起きるから、なんて説明する始末だ。

「…具合が、悪くなったら」
「わかってる、すぐに言うよ」

聞き慣れた言葉に、言い慣れた言葉で返す。シルヴァは危なっかしいその肩を、ひっそりため息をつきながら抱き寄せた。



12/03/06 Tue (16:39) ● きみをよぶ


シルヴァへ

うーん。この二人が進展するのは、しばらく先なんじゃないでしょうか…?
スグリとお風呂は平気なんですか?


「…ふだんから一緒に入ってるわけじゃない」

服の上からでも細っこいスグリは、服を脱いだらさらに華奢だった。同じ男なのに目のやり場を失ってしまうくらいには白くて細い身体をまざまざと思い出して、シルヴァはあわてて頭を振ってその光景を頭から追い出す。

「シルヴァー、風呂…」

なんていう時にいきなりスグリがそんなことをいいながら顔を覗かせたものだから、シルヴァは盛大に狼狽えた。咳き込んだシルヴァに駆け寄って来て、背中を撫でさすってくれる。背中よりすこしひんやりとしたてのひらが、ひどくくすぐったい。

「…だいじょうぶ?」

たどたどしくスグリがいう。何度か頷いてから、シルヴァはぐしゃぐしゃとスグリの髪をかき混ぜた。肩を掴んでみたけれど、あれほど食べ物を与えているのにも関わらず、スグリは相変わらず薄い。

とっくの昔のことだと思っていたのに脳裏にまざまざと思い描けるかれの白い背中をふたたび否応なしに思い出して、シルヴァは人しれず嘆息した。



12/03/06 Tue (16:38) ● マニュアル恋愛


雅臣へ


雅臣が見ていた、悠里の笑えない失敗って?

「いろいろあるよな?不良に喧嘩売られたときとか、教師にちょっかい出されたときもだな。たいてい飛んで火に入る夏の虫ってやつじゃん」
「う、うるさい!俺にだって事情があるんだよ」
「プライド高くて俺様っぽいのに惹かれるやつらもいるんだからさ、気を付けなきゃ」
「…」

雅臣はそうやって笑った。言い返す言葉もなく黙り込んだ悠里が、じとっとした目で雅臣を睨めつける。

「あのケダモノ教師と一対一で人気のない場所に行くとか、完全にフラグだろ」
「しらねーよ少なくともマニュアルには乗ってなかった!」

今は罷免されている教師だが、生徒会のほうの説明でかれと二人で倉庫棟に行ったことがあった。倉庫棟の鍵を開けようとガチャガチャやっていたら盛大に尻を触られて、びっくりして固まった悠里のかわりにその教師を蹴っ飛ばしてくれたのが雅臣だったのである。

セクハラの被害が匿名で風紀委員に届いていて、まだ委員長でなかった雅臣がそれを調査していたんだっけ。びっくりして固まったままの悠里に、雅臣がなんだかそんなふうな説明をしていた気がする。

「お前も十分セクハラ魔だけどな…」
「俺は悠里だけだから良いんですー」
「どこも良くないだろ!!」

今度はかわりに手を延ばして来た雅臣のべちんと叩いて、悠里は盛大にため息をついた。



12/03/06 Tue (16:37) ● きみをよぶ


きみをよぶのふたりへ


お互いを動物にたとえたらなんですか?

「動物かあ…」

思いを巡らせながらシルヴァを見上げれば、かれはその燃えるような紅い髪を束ねているところだった。鋭い瞳がスグリをみて、笑う。笑えばシルヴァはかわいい、とスグリは口に出したことはないけれど常々思っていた。

スグリが直接出会ったような動物のなかに、シルヴァのような鋭さをもつものはいなかったように思う。スグリにとって喩えるのなら、シルヴァには蒼天を悠々とその翼で泳ぐ鷹が一番近かった。

間近で見たことは一度もないけれど、空のしたからでもその翼の力強さはわかる。

「動物?」

髪を束ね終えたシルヴァが寄って来て、スグリが読んでいた紙に目をやった。それからいつくしむようにスグリの髪を撫で、シルヴァはなにかを考え込むような素振りを見せる。

「…シカ?」

ぽつりとシルヴァがいったのは、そんなことば。そういえば初めて彼と出会ったとき、スグリは鹿と戯れていたのだった。

「…あまり、怯えないけどな」

小声でシルヴァが付け足す。最初のころはたしかにスグリはすごく臆病で、シルヴァ以外のムラの男にあうたびにシルヴァの後ろに隠れていたっけ。もう大丈夫だよ、と胸を張れば、シルヴァが笑っていた。




12/03/06 Tue (16:36) ● マニュアル恋愛


マニュアルの三人へ


お互いを動物にたとえたらなんですか?

「動物に例えてみてだってさ」

柊が持ってきた質問の紙に真っ先に興味を示したのは悠里だった。柊の顔をじっと見て、その口元をあわあわと綻ばす。

「柊はディンゴだな!」

一瞬、悠里がなにをいったのか全くわけがわからなかった柊と雅臣は沈黙をした。そしてしばらくして、お互いに顔を見合わせる。やっぱりわけがわからなくて、柊は仕方なく聞き返した。

「…なにそれ?」
「ディンゴ?オオカミと犬の間みたいな。テレビでやってたんだけど、かわいい顔してちょう凶暴なんだよ」
「あー、なるほど。そりゃ柊ちゃんだわ」
「納得すんなよ!ふつう出てこねえよそんな動物!」

悠里はなにがおかしいのかわからない、という顔をしている。動物に例えろといわれて動物園にもいないような名前を挙げる人間はなかなかいない。やっぱり悠里はいろいろずれている。

「うーん、俺はパンダとかかな、って。かわいい見た目に騙されるな的意味で」

雅臣も雅臣でなんとなくずれているから、柊はさっさとツッコミをいれるのを諦めた。

「雅臣は…うーん、キリン?黄色いし」
「やっぱりライオンとかじゃね?黄色いし」
「何かどっちも素直に喜べないんだけど!」

あと悠里は珍獣から離れろ!と言われた悠里は、けれどふたつの遠慮のない視線を浴びて口ごもった。柊も雅臣も悠里を見て、考え込んでいるようである。

「悠里か…、オオカミの皮をかぶった猫」
「あーわかる、それ」

ぽつりと柊がこぼした言葉に納得したように、中型犬だとかでかいうさきだとか好き勝手なことをいっていた雅臣が同意をした。 …悠里はふつう逆だろ、とあまり納得がいったようすではなかったけれど。

←  


ToP



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -