「またナミに二人にしてもらっちゃったね、毎朝迷惑かけてるから次の島に着いたらナミにお礼のプレゼント買おうかな。」
そう。ナミさんは朝必ず俺と****ちゃんが二人になれるように邪魔な奴らを排除してくれる。俺もナミさんには感謝していた。
「じゃあ一緒に買いに行こう?俺もナミさんにはお礼したいし。二人からっつーことにしてさ。」
「…う、うん。」
俺が煙草を吸いながらそう言うと、****ちゃんが顔を赤らめて頷いた。どうした?と聞くとますます顔を赤くしていく。
「それって、デート、かなぁ?」
うつ向いたまま****ちゃんがそう聞いて来る。あ、そうか。付き合ってからはロビンちゃんのことやスリラーバークのことがあって、デートどころじゃなかったんだよな。つーことは…
「初デート、だな。」
「うん!」
俺が改めて言うと****ちゃんは嬉しそうな笑顔になった。可愛いなちくしょう。そんな****ちゃんに俺はあることを聞いてみた。答えはわかってるけどちょっとした意地悪のつもりで。
「****ちゃん、俺のこと好き?」
俺がそう聞くと、また頬を染めて急にうろたえ出す彼女。なんでそんなに可愛いんだ…
「え、えっと…うん、好きだよ///」
「…じゃあさ、俺とブルックどっちの方が好き?」
我ながらいやらしい質問だと思う。でも、こんな可愛い****ちゃん見てて意地悪せずにはいられない。もう茹でたタコより真っ赤な彼女の顔。完全に俯いたままぼそりという。
「………二人への好きの意味が違うの……わかってるくせに…意地悪…」
俺は恨めしげに恥ずかしそうに訴える****ちゃんに近付いて耳元で囁いた。
「で、でもあれはブルックが…」
「そうだけどさ、****ちゃんがはっきり言わないからもあるだろ?」
「…サ、ん…」
まだ何か言いたいことがありそうだったけど、俺は****ちゃんに無理矢理口付ける。しばらく長い間キスをしていたけど、これ以上してたらマジでここで押し倒しちまいそうだから名残惜しく俺から顔を離せば****ちゃんが赤くなりながらふくれっ面で
「…サンジ君は…ズルイ…」
なんて言うもんだから、理性も飛びそうになっちまっう。でも朝だしキッチンだし…今は我慢して****ちゃんの頭を撫でながら優しく言う。
「****ちゃんはずっと俺だけの****ちゃんでいてな?」
満面の笑みを浮かべて彼女はもちろんだよと返事した。
****ちゃんは俺だけの可愛いプリンセス。ぜってー渡さねえからな。
君は僕だけのもの
キッチンのサンジと****の様子をこっそりと全て見ていたナミとルフィとブルック。ルフィはサンジが****にキスをしたところでブルックに問掛けた。
「なあブルック。****はサンジ一筋なんだぞ?なんで****がいいんだ?」
「ルフィ、あんたいいこと言うわね!そうよブルック、****はサンジ君にベタ惚れなんだから例え別れたとしてもあんたの入る隙間はミジンもないわよ?」
ナミもルフィに賛同する。するとブルックが静かに口を開いた。
「…2年ほど前…私は****さんにお逢いしてます。私はもちろん夜しか歩けないので夜にお逢いしたんです、ええ。あれは綺麗な満月の日でした。誰もが私を怖がり、気味悪がります。私はただ皆さんと楽しみたかっただけでしたのに…」
ルフィとナミは真剣にブルックの話を聞いていた。
「私、寂しくて悲しくて一人で船のある海岸へ戻りました。そして海岸で音楽を奏でたんです。そうしたら偶然居合わせた一人の女性が拍手をしてくれました。楽しそうに、喜んで下さった。もっと聴きたいと…私、とても嬉しかったです。その夜だけは寂しくなかった!その方が実は****さんだったんです…」
「ブルック…!!」
「あんたそこまで…本当にドラマみたいな出逢いだったのね…」
「ヨホホホ!当然ですよ!!全てたった今私が妄想したことですから!」
「「妄想かよ!!!」」
ルフィとナミは同時に突っ込むがブルックの耳には届いていないようだ。骸骨だから元より耳などないのだが。
「とにかく私は****さんを諦めません!ヨホホホホ〜、****さんこんな眉毛さんは放っておいて私と歌でも歌いましょう!」
いい雰囲気な二人の間を邪魔しにキッチンへ入って行ってしまったブルックにプラス思考過ぎるのも考えものだなと二人は溜め息をつく。
「あの二人が二人きりの時間を持つのはあいつが諦めない限り無理ね…」
「サンジ大丈夫かあ?」
ますます自分達がフォローする場面が増えそうだと、ナミとルフィは頭を悩ませたとか。
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