昨日、あたしは確かに愛犬…いや、星霊である可愛い可愛いニコラを抱き締めて眠ったはずだ。それなのに……………

「よっルーシィ!」
「あい!」
「あんたたち………」

出てけー!!!!!!!






「うわ、どうしたのぉナツってば。」
「…ルーシィに殴られた。」
「お、もしかしてまたルーちゃんのとこに勝手に入ったの?んん、ナツ、前から言おうと思ってたんだけど、それ犯罪だから。」

ころころと笑うレビィにナツはむすっとした顔でなんでだよ、と問いかける。いや普通に考えて年頃の女の子の部屋に黙って入り込んでしかもベッドに入るなんて常識ではありえないでしょあたしだったらポリスメンにナツのこと突き出しちゃうかも、なんて笑いながら言うレビィにもやはりナツは、ルーシィはルーシィだろと理解できない様子だったので、うーん、と唸りレビィは隣にいた、この話を初めてからいささか不機嫌なグレイの腕をぐいっと引き寄せて、例えばーと口を開く。

「例えばグレイとルーちゃんが付き合っているとしよう。」
「は?!」
「グレイとルーシィは付き合ってねーぞ。」
「だからあ、例えばの話!」
「あ、ああ例えば、な。」
「そ。例えば二人が付き合っている世間一般的に恋人と呼ばれる間柄だったとした時に、ナツがルーちゃんの部屋に勝手に忍び込んだりベッドで朝起きたら隣に寝てたなんてことがあったら、彼氏のグレイは心中穏やかではいられないと思うわけですよ。」

ね、グレイ?とにやにやしながら自分を見てくるレビィにグレイは軽く頬を染めて、まあ付き合ってたとしたらな、とぶっきらぼうに返した。ナツは首をかしげていたのでレビィは続ける。

「自分の好きな人の家に男の子が出入りするのって、いくら相棒とはいえよろしくないのではないかと。」
「いいじゃねえか、ルーシィは相棒だぞ!」
「相棒だからって何か間違いが起きないとは限らないだろ。」
「なんだあ、やんのかこら。」
「ああ、上等だてめえ、勝手にルーシィんちに上がり込みやがって下心みえみえなんだよ!」
「ああもお二人ともやめてよぉ、グレイも、ナツにはリサーナがいるんだし…そうよナツはリサーナがいるじゃない。リサーナの家に勝手にグレイが上がりこんでたらどう思う?」
「リサーナの家に…………?」

ぴたっと動きを止めて腕を組み考え込むナツはいきなり身体中に火を巡らせて叫びだす。

「グレイ!てめえリサーナの家に勝手に上がってんじゃねえよ!!!この万年発情期変態野郎!!」
「てめーにだけは言われたくねえ!!!つーか上がってねえし!てめえとは違うんだよ!!」
「なんだと!!」
「やんのか!!!」
「やめろ!!!!」

ごんっと二人の頭にものすごい痛そうな音が響き、わぁお、とレビィもこの場が静まって良かった、と安堵する。さすが、二人の扱いに慣れているとゆうか突っ込み役とゆうか、ルーちゃんはすごいなあ、と感心しながら、笑顔でおはよう、と声をかけてナツと自分の間にルーシィを座らせた。

「ん、おはよ。」
「なんか朝から疲れてるね。」
「朝から怒鳴ったからね、ったく、どっかの馬鹿のせいで…」

ぶつぶつと文句を言うルーシィを宥めながらミラジェーンにドリンクをもらって未だ怒りのおさまらない彼女に手渡した。

「一応ナツにはわかってもらえたと思うけど。」
「本当に?ありがとうレビィちゃん。もぉ、なんで寝起きからあの馬鹿の顔見なきゃなんないのかしら。」
「うんうん、グレイなら良かったのにね。」
「そぉそぉ、グレイだったらなあ、毎朝幸せなのに……って、え?!!!///」
「だって、良かったねグレイ♪」

レビィは満面の笑みでグレイの肩を叩いてナツの手をひいていた。ルーシィがおそるおそる振り返るといつの間にか睨み合いをやめていたグレイが顔を真っ赤にして片手で口元を覆っている。ああ、可愛い小悪魔にはめられたわ、とルーシィは顔から火が出そうなほど恥ずかしくて硬直した。

「さ、ナツ、リサーナのとこ行こうよ、あっちでジュビア達と話してるからさ。」
「え、あ、でも。」
「いいから、ほら早く!」

強引にナツを引っ張っていくレビィが遠くでアイコンタクトをしている。その目は、頑張ってと言っているのだろう。頑張っても何も、この状況でどうしろというのか。気まずい雰囲気が2人を包み込み周りの騒がしさだけがいやに耳に響いてくる。とりあえず、座ったら?と控えめに声をかければ、おお、と短い返事が返ってきたので少しホッとした。 暫くの沈黙が続いた後、グレイがついに口を開く。

「あ、のさ。」
「え、あ、へ?!」
「お前…ナツのことどう思ってんだよ。」
「へ…どうって、そりゃあ好きよ。仲間だもの。」
「へー…って、それだけか?」
「あ、当たり前じゃない!!ナツにはリサーナがいるし…てゆうかあんな奴に恋したら身がいくつあっても足りないわよ。」
「はは…そーだな。」
「そお、よ…」

しん、と気まずい空気が流れる。どうしよう、もう告白してしまおうか、片想い期間もだいぶ経た、でも振られたら今までみたいにできるかな、怖い、と色々思考を巡らせていると、グレイがルーシィの手に自分の手を重ね、んんっと咳払いをした。

「え、あ、グレ…」
「ルーシィ、もうナツのこと家にあげんなよ。」
「……あげてないんだけど。あいつが勝手に…」
「それでも、だよ!!///ルーシィに朝一番に逢うのは、その、俺じゃないと嫌なんだ!」

真っ赤になって自分を見つめるグレイに伝染したかのようにルーシィも顔を赤らめる。小さく、うん、と頷きルーシィが笑みをこぼしたのを見てグレイも頬をかきながら照れくさそうに笑った。


ねえグレイ、いいこと教えてあげようか。
あたしね、



「グレイ…」
「ん?」
「あの……つまり、それって…」
「……。」
「あたしのことす「だー!!!////ああそうだよ、好きってことだよ!!///」

いつの間にか服を脱いでいるグレイに服着てよと突っ込みつつも、あたしも好き、と小さく伝えるルーシィは今まで見たこともないくらい優しい顔をしていた。



毎朝あなたの顔を見て、それから一日が始まるんだよ


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