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 ぐ、と寝返りをうったら、頭蓋骨かなにかにごり、と硬いものが当たって痛くて目が覚めた。
 なんだろ、と薄目を開くと、目の前には穏やかな寝顔。
 んん? なんでりっくんが?
 ぐしぐしと目をこすりながら何度か頭を振ると、どうも頭蓋骨が痛い。よくよく見れば、枕にしては硬すぎるそれは、りっくんの腕だった。

 んー、あー。

 ふ、と思い付いてふたりにかかってる毛布をめくると案の定ふたりとも素っ裸。
 そか、あのまま寝ちゃったのか……あ、もう窓の外真っ黒だよ。
 家に連絡していないや、でもりっくんはしっかり者だから、ちゃっかりしてくれていたりして。
 なんたってりっくんはうちの家族公認だもんね。お父さんはりっくんをすごく信頼してるし、お母さんはりっくんにメロメロだし、あーちゃんはりっくんと超仲良しだし。
 むふふ、とにやにやして寝顔を見ていたあたしは、ついと視線を下げた拍子に、あるものを見つけた。

「……」

 りっくんの体から飛び出たソイツに、そろりと触れてみる。

「ん、」

 りっくんがわずかに眉をひそめてうなる。
 そのシワもすぐにほどけて、再び安らかな寝顔になったりっくんを見て、あたしの中にむくむくと悪戯心がわいた。
 ぷにぷにぷに、むに。

「うぅー……」

 こう見えて――授業中とか、先生にばれないように目を開けたまま寝ていたりする――意外と熟睡型のりっくんは、どうやらちょっとやそっとじゃ起きなさそうだ。だけど、くすぐったいのか少し身をよじって、
 ぐい。

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