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「おい青子、やめとけ」
「なんでー? ひでぽんの彼女ってことは、私のお姉さん的存在だよ! 仲良くしないと!」

 昔どこかで聞いた台詞である。
 図書室に行って司書と仲良くなる、と言って聞かない青子をなだめつつ、気づけばもう図書室の前まで来ていた。ドアの前でちょもちょもと揉めていると、すっとドアが開いて司書が出てきた。

「あら。秀哉くんのお友達ね」
「こんにちは!」
「っす」

 ミキは、司書を遠慮なく眺める。美人とは決して言わないが、優しい雰囲気の可愛らしい女性ではある。少しミキにおびえたような表情をしているのはお約束なので、もう別にいい。

「秀哉くん、心配性だから」

 そう言って微笑んだ司書は、なんだか幸せそうで、ミキはなんとなく思った。
 なんだ、秀哉って人並みに人のこと幸せにできんだな。


20130203

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