05



「家まで無事送り届けろって、真中さんから言われてます!」

 あゆむにプロポーズされた翌日、あゆむのお見舞いに行こうと思いながら放課後学校を出ると、校門のところに派手な色の髪の毛をした男の子が二人立っていた。誰に用事だろ、と思いつつそれを無視して歩いていると、どうも視線を感じる。

「あれじゃね?」
「あの、旭さんっすよね?」
「あ、え」

 こくっと頷くと、ばっと頭を下げられた。それで、どうやらあゆむを慕う男の子たちだってことに気づいた。
少ないけど、あゆむは学校外にこういったお友達が何人かいる。

「よろしくお願いします!」
「……よ、よろしく……でも、わたし」

 あゆむのお見舞いに病院に行く、ということを告げると、男の子たちは顔を見合わせた。

「それって、俺らも行っていいんすかね?」
「うん、いいと思うけど……」
「じゃあ、一緒させてもらいます」

 病院に三人で向かう。その途中、いろんなことを聞いた。
 あゆむは、意外と面倒見がいいらしく、自分たちにとてもよくしてくれること。ほかの人とは少し違って、ちゃらちゃらしてないこと。それから。

「旭さんのこと、すげー大事にしてて、マジ憧れます」
「え!」
「携帯のストラップ、おそろいっすよね?」

 なんで知ってるんだ。あゆむ、人にそういうの言われるの嫌だからって、わたし友達にも自分からは言ってないのに。いや、気づいてるかもしれないけど。
 わたしのストラップ見たことないのに、なんで知ってるんだ。ちなみに、特にキャラ名があるわけでもない、くまちゃんの小さなぬいぐるみだ。色違い。

「真中さんがぼやくんすよ。こういうの俺に似合わねーとか」
「……」

 それ、大事にしてるっていうんだろうか。

「俺らも、イメージじゃないとか言うんすよ。でも、そしたら、外したらあいつ泣くからとか言うんすよ!」
「……」
「なんか、真中さんが、くま撫でてる時だけ可愛く見えます」
「……そ、そうなんだ……」

 なんかすごく恥ずかしい。撫でたりするんだ。
 そうこうしているうちに、病院に着く。

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