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※こころの中もチェリー色(水神矢)


※R-15
ほっぺはチェリー色の続き。
むっつりな水神矢。かっこいい水神矢はいません。閲覧は自己責任でお願いします。


自然とお互い背を向けるようにベッドに横になった私たちの間に会話は無くムフフな展開がくるんじゃとさっきまで変に緊張していた私は緊張の糸が切れたせいか一気に睡魔が襲ってきた。瞼が重くて今にも意識が夢の世界に飛んでいきそうだったのでとりあえず舌が回るうちにおやすみと一言言っておいた。言えていたのかどうかすら怪しかったけど水神矢からもおやすみなさいと返事が来たので一応言えていたんだろう。そんな彼の声を最後に私の意識はフェードアウトした。


(ん...なにこれ...)

フェードアウトしてから何時間経っただろう。いや、もしかしたら数分数十分だったかも知れない。謎の違和感に私の意識は再びフェードインした。何やら胸にモゾモゾと感じる違和感。何だと瞼を小さく開けたけど暗闇なため見えるはずが無く。でも確かに何かがモゾモゾとした何かが私の胸を弄っている。


「っはあ...なまえさん...」

正体は何だと寝ぼけた頭で考えていると耳元に私を名前を呼ぶ熱い息を含んだ声がした。その声が頭を駆け巡って一気に眠気が飛んでいった私は胸を弄っている正体を悟った。間違いない、水神矢の手だ。

なまえさんと私の名前を繰り返す水神矢の声。そして後ろから回ってきている片手は私の胸をモミモミと揉む。起きないようにと力加減をしているのか揉む手の力は弱いので全然刺激にはならないけど耳元の声は早急にどうにかして欲しい。友達に耳打ちされるだけでも擽ったさを感じてしまうくらいに右耳は弱いのだ。そんな右耳に掛かる水神矢の声と熱い吐息。それだけでも擽ったくて仕方がないのに私の名前まで呼ぶものだから変な気持ちになっていく。変な気持ちになっていくと不思議なことに全然刺激になってない思っていた胸を揉む動作が緩い刺激になってきて私は下唇を噛んで刺激に耐えた。

なんとか意識を逸らそうと小学校の時暗記させられた寿限無を寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚と頭の中で何度も唱える。唱えているうちに急にピタっと耳元の声も胸を揉む手の動きも一斉に止んだ。パイポパイポと折り返し地点で止まった手の動きに暗唱を中断し、やっとやめてくれたかとホッと一安心した。でもそれもつかの間で、水神矢の両腕がお腹に回ってきて抱かれたかと思ったらグイッと後ろに引っ張られた。ピタっと水神矢の体に密着する背中、そしてお尻あたりに触れる硬いもの。一体それが何なのか本能的に悟った瞬間それは上下に動き出した。


「っ...はっ...はあ...」

再び耳にかかり出した吐息に上下に動く硬いソレ。ソレがなにかなんてそんなのナニしかないだろなんて悠長なこと言ってる余裕なんてない。お尻に擦り付けられるそれはお尻の割れ目を沿っていて上下するたびにもう一つの割れ目の部分に触れる。


(っ...!)

性感帯に触れている訳じゃない、しかも服を着ている。なのに周辺を擦られているせいか変な気持ちはさっきより更なる波を持って襲いかかってきた。今すぐ腰を引いてしまいたいけど私が起きておると知ると真面目な水神矢なことだ、慌てふためいたのち一生触れませんなんて土下座しながら言いそうだ。現在の状況は好ましい状況じゃない。だけど拒絶したいほどの嫌悪感があるわけではなく...嫌というわけではない。
激しく上下する水神矢の身体に、はっはっと激しくなる彼の吐息に私の身体にも熱が溜まり熱を発散させようと自然と口が開きそうになる。だけど起きているがバレてしまう訳にはいかないので息が漏れないようにさっき同様唇を噛みしめる。


「なまえさん...なまえさん...」

幾度無く名前を繰り返す唇に次第と私の頭の中は蕩ける。そして割れ目を往来する刺激に理性が崩れ行く。絶え間なく与えられる刺激に耐えるのに唇じゃもう限界でそっと水神矢に借りたパジャマの袖を噛みしめる。噛み締めた歯と歯の間から漏れ出す吐息の熱さに驚いている暇もさっきのように寿限無を唱える余裕は無くひたすら水神矢の行為が止むのを待った。


「あっ...なまえさっ!うっ...!..は...はっ..ぁ」

震えた声と共に私のお腹を抱える腕と背中からお尻に密着した水神矢の半身がブルっと震えた。恐らく絶頂を迎えたんだろう。絶頂を迎えた男性が...いや、彼氏がすぐ背中の後ろにいる事実に頭の処理が追いつかない中、絶頂の余韻が残っているのか身体を小さく震わせて大きく息を吸っては吐いてを繰り返す。しばらくして息が整い始めると密着していた身体が離されて耳元に掛かっていた彼の吐息が遠くなった。ギッとベッドが揺れたかと思うとドアを開ける音がし、そしてドアは控えめな音を立てて閉じられた。

ドアが閉まった瞬間私はガバッと起き上がり頭を抱えた。


「水神矢成龍....」

歴史書に出てきそうな響きを持った彼のフルネームを口にしながら彼の顔を思い浮かべる。キスするのに100年かかりそうなあのウブな君はどこにいったのか、キスをすっ飛ばした彼の行為を思い出して手のひらで顔を覆う。


(......そういえば)

手の平から暗闇に慣れた目を覗かせ自身の脚の見つめて視線を上へ上へとズラしていく。いや、布団越しに見て何が分かるんだってかんじだし別に見なくてもそこがどうなっているかなんて感触で分かっていた。...ぐっしょりとまではいかないけどかなり濡れているそこに私はさっきよりもより深く頭を抱えた。自分が感じていたという最もな証拠に恥ずかしさを筆頭に色んな感情がせり上がってきて泣きそうになった。いや、ほんとマジで水神矢が初々しいとか思ってた数時間前の私に全力で忠告したい。彼はむっつりスケベ野郎だと。

暫くするとそんなむっつりスケベの足音が近づいてきて私は慌ててさっきの姿勢に戻った。部屋に戻ってきた彼はサラッと私の頭を撫でるとおやすみなさい。と小さな声ながらもどこかスッキリした声で言った。
そんな彼と対照的に中途半端に火照った身体と濡れた下着を持て余した私がそれから眠れたかといえば眠れたはずが無かった。翌日やけに清々しい水神矢と目元に隈を作った私たちを刺す部員たちの視線が痛かった。しかも水神矢宅付近のコンビニの下着は昨日最後の一個を私がお買い上げしてしまったせいで品切れだったので仕方なく学校付近のコンビニでパンツを購入する羽目になった。そんな朝一コンビニで下着を購入する珍行動を同じサッカー部マネージャーの春菜ちゃんに見られていたようで練習中になんで買ったんですか、と探る意図はない純粋な瞳で尋ねられた。


「濡れちゃったんだ。」

寝れなかったせいか言葉をチョイスする能力が著しく低下している私はダイレクトに答えた。引き笑いを添えて。なんか近くで練習していた佐曽塚と白鳥がすごい勢いでこっちを見た気がしたけど気にしない。というか気にする気力が無い。


「なるほど!キャプテンと水遊びしたんですね。」

水遊びなんてキャプテン意外と子供なんですね!
春菜ちゃんの穢れをしらない返答に私は瞳を閉じて深く頷いた。水神矢成龍、あんたのせいでほんと泣きそう。