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「食べてくれたんですね」

「……まぁ、ね……うぉえっ」

「おい司、吐くなよ? そこで吐くなよ?」


司さん、巴さん、そしてお粥を与えた記憶のない新山さんの三人が並んで座るも、三人とも顔が真っ青である。唯一ケロリとしている仙堂さんは、きっとあのお粥を新山さんの口にぶち込んだのだろう。


「なかなか強烈な味だったでしょ?」

「強烈っつうか……お、思い出したくも……う゛っ」


なんとか俺に返事をしてくれる司さんだが、話すたびに吐きそうになっている。そんな彼を見てさすがに心が痛むのか、豹牙先輩は心配そうにそわそわと落ち着きがない。
俺はそんな二人に苦笑して、彼らの為にお粥を作りはじめた。


「……司さん、俺ね。新山さんたちが出てきた時点で不審に思ってたんですよ。それに加えて事情聴取が終わったあと、豹牙先輩がすごい驚いてて。あー、豹牙先輩は知らないのかーって思ったわけです」

「……そう」

「そんで次は新山さんたちと一緒に住めでしょ? しかも豹牙先輩の護衛つき。最初はそりゃ、ノアさんはそんだけ凶悪なんだろうなぁって思ってたけど、おかしいじゃないですか」

「なにが……?」

「だって本当にノアさんが危険なら、麻薬を怨む司さんが豹牙先輩を俺の護衛につけるわけがない。誰よりもなによりも豹牙先輩を大切に思ってる司さんが、俺なんかを守るために豹牙先輩を利用するわけがないじゃないですか」

「……反吐がでるね」


いや、今はゲロが出そうだけど。なんて笑う司さんに微笑み返す。
とりあえずちょっと吐いてくるわ。そう告げた司さんが巴さんと一緒にトイレに向かうと、なぜか豹牙先輩から撫でられた。それに対して玲央が舌打ちをごぼしていた。




 


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