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「司さん、俺ってやっぱり馬鹿だから、こんなやり方しか知らないけど……でもアンタが最初にアンタのやり方を通してきたんだ。
なら俺は俺のやり方をつき通す権利がある。でしょ?」

「は? いや、なに言って……」


司さんの前に置いたお粥の鍋の蓋に手を掛けたまま、決して笑みは絶やさない。


「だから、アンタはこんな薄ら寒い部屋に関係者集めて説明会するつもりなんでしょうけど、それは違うだろーがって言ってるんですよ。
もし少しでも罪悪感があって、俺らに謝りたいなんて思ってんなら、デリバリーなんかで人を呼ばずにテメェで来いや。ってことです」


ニコニコ笑ったまま吐き捨てる台詞に、玲央以外の全員が目を丸くしている。
俺はついに蓋を開け、ますます嗤ってやった。


「というわけで、こちらが小虎&怒り狂った仲間たち特製、スペシャルお粥になります」


むわっと空気中に立ち上がる煙の中から現れたそれは、以前雄樹が作ってくれた以上にカオスなことになっているチョコレート粥である。
俺の隣では巴さんに向けてお粥の蓋を開けた豹牙先輩が、若干引きつった顔でお粥の中を見ていた。


「じゃ、そういうことでデリバリーしたんで、失礼しまーす」


すくっと立ち上がり、自らも色んな物を投入していたチョコレート粥に顔をしかめたままの豹牙先輩と共に部屋を出る。少しして、その後ろを玲央が平然とついてくるものだから拍子抜けしたが、とりあえずちょっとだけ気が晴れた。

それから三人でカシストに戻ると、玲央の姿を認めた仁さんが笑顔で度数がシャレにならないウォッカを出してきた。しかもストレートで玲央に渡すものだから、俺と雄樹と志狼は内心ビビっていたが、豹牙先輩だけは「ざまぁ」みたいな顔をしていた。




 


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