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「玲央と……似てる」

「馬鹿。俺がおふくろに似てんだよ。つーかお前だって似てんだろ、鼻の形とかおふくろそっくりじゃねぇか」

「……そう?」

「あぁ、そうだよ」


いつになく優しい玲央が笑いながら俺の鼻をつまんだ。
そんな俺たちを見ていた祖父と祖母は、なんだかとても嬉しそうに俺と玲央をまとめて抱きしめてきた。


「……っ! おい、ジジイ、ババアっ」


突然の抱擁に玲央が抗議の声を上げるが、そんなものは聞こえないと二人の腕の力は増す。
勢いで玲央の胸に顔をつける俺は、先ほどまでの悲しみもどこへやら。
この温かみがどうしようもなく愛おしくて、いつもの香水とは違う、玲央の汗ばんだ香りのする体に抱き着いた。

傍から見ると、それは俺と祖父と祖母が、獰猛な野獣を抱きしめているような図に違いない。


「……たくっ」


離れる気配のない俺たちに諦めがついたのか、玲央がため息をついて俺の頭の上に顎を乗せてきた。
異様な密着率だけど、玲央と祖父と祖母の香りが交じり合って、この上なく幸せな気持ちになる。

この温かで優しさに満ち溢れた時間が、永遠につづけばいい。
そう思いながらさらに玲央に身を寄せると、黄金の獅子はなにも言わずに俺の背中をそっと撫でた。




 


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