生きているか、ですって？
悪魔に対して愉快な質問ね。
生きている？
ふふっ…ええ、そうね、人間の概念からすれば生きているわ。
それも残念なことに酷く元気に。
がっかりしたかしら？

まどかは良い子にしているけれど、美樹さやかが曲者なのよね…流石まどかの幼馴染み、とでも言っておこうかしら？
妬いてなんていないわよ、まどかは私に傾いているのだから。

まどかの余所見癖が酷くて手が焼けるものだから、来年を迎えるまで眠らせて貰うわ。
よいお年を。

今はあなたに手を差し伸べて欲しい。
そう願う時に限ってあなたは私に気付かない。
気付いて欲しいわけじゃない、ただどうか、人間の群れの中から私を見付けて、まどか。

赤子の手を捻るようなもの、とはよく言ったものね…感心するわ。
けれどあなたは赤子では無いのだし、まだ奥の手を隠しているんでしょう？
早くそれを見せてちょうだい、その後で手を繋ぎましょう。

良い夢がみれたわね。
ええ、私もよ。
目覚めはどうかしら。
おあいにく様ね、私は夢から覚める事が出来ないの。

何故あなたは気付かないの。
何故あなただけが気付かないの。

出遅れたわね、良いわ…今夜はあなたにまどかを譲ってあげる。
でも調子にのらない事ね、特別に私が許してあげると言ったの。
何度も機会があると思い込まないで頂戴。
これは最初で最後のチャンスだったのよ、悔いなく過ごせたかしら？