やさしさなんて知らなくてよかったころ

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koneta | ナノ


▼折原臨也

「このイケメン野郎。」
「ちょっと、いきなりなんなの?」
「臨也は中身は最悪だけど、顔がいいからモテるよね。」
「俺に喧嘩売ってるわけ?」
「顔がいいと全てにおいて得だと思う。」
「さっきから俺の話し無視だよね。」
「だって臨也が外を歩けば女の子はみんな釘付けだし。」
「まあ、そうなるね。」
「外面がいいからみんな騙されて臨也にどんどん近付いてくるよね。」
「……」
「それで可愛い女の子に腕なんか組まれちゃってさ、臨也だって満更でもなさそうですし。」
「……」
「それに比べて私なんか可愛いくもなければ、色気もないし。」
「…もしかして、さ。」
「でも、それでもやっぱり臨也が好きなんだもん。臨也は私のものなんだもん。そんな勝手に触られたりしないで。」
「うん、ごめん。今度から気をつけるよ。」
「…約束だよ?」
「うん、約束する。」
「臨也、」
「ん?」
「好きだよ。」
「俺も好きだよ。」
「ちゅー…。」
「はいはい、じゃあベット行こうか。」
「はっ?えっ?何で?!」




▼くすくす

偶然と必然。それは相反するもので、決して交わることのないものだろう。偶然起こる事実、必然に起こる事実。人と人が出逢う事をある人は偶然だと言い、またある人は必然だと言う。言うならばこの見解は人それぞれなものであり、決して正しい答えが用意されている訳ではない。故に自分で好きなように解釈しても何ら問題はない。

「私はあの人と出逢うべくして出逢った。それが私達の運命なのよ。」

ある人はそう言っていた。 彼女は自分にとって最愛の人を見つけたのだ。だから運命だなんて言う言葉を使ったのだろう。だが彼女は実際その運命の相手とは道を違えている。はっきり言ってしまえば、彼女は振られてしまったのだ。それなのに彼女は運命の相手だとか、彼はもう一度戻ってくるなんて言い散らす。現実を受け入れられず、そ事実を否定して、ねじ曲げた理想へと想いを巡らす。なんて滑稽なんだろうか。人間はどうしてこうも自分に甘いのか。いや甘い訳ではない、弱いのだ。脆くて、危うくて、ちっぽけな存在なのだ。辛い現実から目を背けて、幸せな幻想へとのめり込む。くだらない。甘い幸せな非現実に堕ちて、壊れそうになる心を辛うじて留める。お目出度い奴等だ。世界は協力して生きて行こうと掲げるけれど、はたしてそれは現実のものに出来ているのか。国のトップが話し合いを行い協定を結ぶ。これは決して悪い事ではないだろう。だが、それはあくまでも一部に過ぎない。世界の全てが協定を結ぶ事はきっとないのではないか。そう思ってしまう程、人間というのは利己的に動いている。やはり全ては欲深い人間の仕業。この世界は腐り始めてる。やがて欲の塊である人間に潰されてしまうだろう。ああ、なんて哀しきことか。


「そんな君も人間だろう。」



▼折原臨也

人間というものは些細な事で舞い上がりもすれば、落胆もする生き物である。それが相手に特別な感情を持っているなら尚更の事だ。だから私は今非常に困っている。いつもいつも振り回されているこの現状が、恋だと呼べるものであるか否か。と言うか恋であって欲しくない。あんな奴に惚れるなんてあり得ない、あっちゃいけないだろうよ。半ば混乱し出した私の脳内はもはや冷静という言葉を失っている。何故なら目の前に、その原因がいるからである。もうぐちゃぐちゃになった頭は本来の機能が喪失しているだろう。

「やあ、頭なんて抱えてどうしたんだい?」
「…あんたには関係ない。」
「酷いなー、心配してあげてるのにあんた呼ばわりなんて。」

なにがだ。どこが心配しているというのだ。くつくつ喉を鳴らして笑ってるやつが心配なんてしない。寧ろこの私の状況を楽しんでいるに違いない。どうしてこんなに腹が立つのだろう。分かってるさ、私は結局のところこの男が好きなのだ。だけど認めるのは悔しいから素直になんかなってやんない。

「臨也なんて大嫌い。」




▼ラビ

好きだなって思って、それが確信のものへと変わっても、そこから行動を起こすのって難しい。意識した途端に話す事も、目を合わす事さえ恥ずかしく思ってしまう。今までどう接してきたのか分からなくなる。そして避けるようになってしまう。だって彼を目の前にすると何を話したらいいか、分からなくなるの。頭がぐるぐる回って、パニックになって、口はぱくぱくみっともない。情けない姿を好きな人には見せたくないものでしょう?だからね、違うんだよ。君を嫌っていた訳じゃないの。勘の鋭い君なら分かったでしょう?どうして君は気付かないふりをしたの。どうして何も言ってくれなかったの。

「もう此処には居られないんさ。」

そのまま彼は私の前から消えてしまいました。私の何かが壊れた音がただ広がるだけでした。




▼六合鴇時

彼はここに居るようでいつも居なかった。ここで確かに話をしているのに、彼の心はここにはなかった。だから確かめてみたかった。彼がいつも何処に居るのか。見て見たかった彼が居る世界を。それが彼への最初の好奇心。

「六合おまえ後で職員室来い。」

彼に興味を持ってからまず一番始めに分かった事。彼はとっても日本史が苦手。赤点常連組と言ったところかもしれない。今日も彼は先生に呼ばれていた。顔を歪めながら職員室に行こうとする彼と何故かぱちりと目が合った。目を反らさずにいれば彼はにっこりと、効果音が聞こえてきそうなぐらいの笑顔を残して、教室を去っていった。意味が分からない。だけど心臓がこれまた皆に聞こえるんじゃないか、ってくらいばくばくしている自分が一番意味が分からない。







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