「名前ー!受かったアル!」 「うそっ、おめでとう!」 「銀魂大に上がる子たちは殆ど受かったみたいよ」 「じゃあ妙ちゃんも総悟も土方君も?」 秋、11月。推薦入試……とはいっても、すぐ近くに存在する銀魂大はこの高校の附属大学。余程のことがない限り落ちることもなく、エスカレーター式と言っても過言じゃない。その大学にみんなが受かったと聞いて、喜べないわけがない。 「みんなおめでとっ!」 鞄の中を探っていると袋ごと飴が入っていたのでお祝い!だなんて言いながら配る。 「あとは名前も決まればいいアルネ」 飴をガリガリと噛みながら神楽ちゃんが言って妙ちゃんがそうね、と相槌を打つ。……私のことはいいんだけどなぁ。 「名前は結婚するんでさぁ」 「そっ、総悟!?なに言ってんの!」 「その様子じゃ図星ってとこか」 「土方君まで!」 こうやっていじられたりするのも、もうすぐ終わりなんだ。寂しくなるなぁ。 「名前?どうかしたアルカ?」 「……えっ、あ、なにもないよ」 「顔色悪いアル」 「そう、かな?」 鞄の中から鏡を取り出す。その瞬間ぐらりと身体が揺れた。血の気が引いていった代わりに吐き気がして、ぷつりと私の意識は途切れた。 「名前!!」 101207 |