王子様に恋して
1話

2017.07.23start
[前書き]

パラレル設定

高校生の二人です。

日本の高校生なので名前を漢字表記にしてます。団扇佐助と渦巻鳴門です。学校名は木ノ葉学園にしました。

ピアノのドキュメンタリー番組をたまたま見て、その時に思い付いたネタです。

ピアノの知識は皆無なので、私的イメージで表現しています。だから表現や知識に間違いがあっても指摘しないでくださいね。あくまで創作です。多少ネットで調べましたが。

カノンの王子様(大爆笑)佐助と、彼に恋する鳴門がイチャイチャする話。

王子様という単語を使ってみたくて無理やり命名(笑)。

特にヤマ無しオチ無し。

とにかく完結させたい。

本当はサス誕までに書き終わりたかったんだけど、全然進まなくて、またしても連載中になりました(泣)。

とにかく優先して書き終わりたいです。



柔らかなピアノの旋律が、夏の夕暮れ特有の熱気の残る空気に、静かに吸い込まれていく。


耳に馴染みやすい曲。


パッヘルベルのカノンである。


追って追い続けて、そうして最後に漸く二つの旋律が交わる、有名な楽曲だ。


その優しく密やかな音色が、どこか切ないような感じがするのは、この曲だからなのか、それとも弾いているのが自分の片想いの相手だから、なのだろうか。


人気のほとんどない音楽室でじっと頬杖をつき、らしくなく神妙にピアノに聞き入っていた鳴門は、ぼんやりとそんな事を思う。


もっとも、奏でられる音楽を鳴門がどう聞いてどう感じているのかなんて、弾いている当人からは気に掛けるそぶりさえないのだけれども。


ビアノに向かっている時の佐助は、目には見えない音の先だけを追っている。


まるでそこだけが違う空間であるかのように。


傍にいるはずの鳴門をも無視して、強く弱く情感を織り交ぜながら一つの音色を綴っていくのだ。


無心に音楽だけを追い求めて。


そこに他者の入る余地など一欠片だってありはしない。


感じる疎外感に胸の奥がもやもやと落ち着かなくなるけれど、それでもなお、曲の中に深く入り込んでいる綺麗な横顔に見惚れてしまう。


数ある追走曲の中でもこの曲を好んで良く弾いている彼は、木ノ葉学園のカノンの王子様と呼ばれ近隣の女子中高生達のハートを鷲掴みにしている、見目秀麗、成績優秀、その上、将来有望なピアニストの卵でもあった。


(なーにがカノンの王子様だってばよ!佐助はオレの王子様だってーの!)



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