うちはの神様
1話
2013.08.03start
前書き
ニ部設定→百年後
百年後が舞台です。
先にこのお話の説明をしておきます。
(説明しないと、読んでも意味不明だと思うので……)
二部設定のいつか未来で、また敵対したサスケは、終末の谷でナルトを殺してしまいます。
(殺すつもりまでは、なかった)
それを後悔したサスケは、死後、穢土転生して永遠の命を得て、うちはの土地に住み、ナルトが護ろうとした里を、人知れず護りつつ生きてきました。
(サスケは20歳代で死亡した)
それから百年後、生まれ変わったナルト(10歳)は、前世の記憶はないのに、なぜかサスケの存在に引き寄せられて出会います。
で、里を護ってるサスケを神様だと思ってます(笑)
……そんなお話です。
――――――百年前
「前に言ったろ!オレもお前の憎しみ背負って、一緒に死んでやる、ってよ!」
「オレも言った…!お前を一番に殺してやる、とな!」
全ては一瞬の内の事だった。
再び相まみえた、終末の谷で。
オレンジと青の焔が激しくぶつかり合う。
飛び散る閃光。
その、只中で。
無防備にサスケへと伸ばされた、ナルトの手。
「サスケェ!オレはお前を諦めねェ!諦めてたまっかってばよ!また昔みてーに、一緒に……!!」
「お前がどうしようと、オレは変わらねェ!行きつく先は――闇しかねェ!……もう戻れやしねェんだ、ナルト!!」
その手を手荒く拒絶したサスケは、ほとんど無意識に、戦忍としての条件反射のごとく、次の瞬間には相手に向かって斬りつけていた。
銀の刃が、冷たい輝きを放つ。
何が起きたのか、その殺那、サスケ自身にも良く分からなかった。
その時、視界を埋め尽くしたのは一面の真紅だった。
禍々しいまでに美しい、原始的な紅い色。
視覚と意識を侵していく、その色は―――――
「ナ……ッ!!」
ナルトの、血。
傷口から溢れ出る鮮血に、みるみるうちに暗く澱んでいく、その瞳。
「……オレってば……ずっ…と……サ、スケ…と……」
一緒にいたかった―――――
切なげな……哀しげな声音が小さく響く。
こと切れるように、ぐにゃりとナルトの身体が血溜まりの海にくずおれた。
虚ろに見開かれたままの瞳は、もう………何も、見ていない。
虚無の蒼。
正確に左胸を貫いた草薙の剣は、ナルトの命を奪った。
――――――オレが、この手でナルトを殺した
補足:
「オレもお前の憎しみ背負って一緒に死んでやる」
↑↑
コミック52巻55ページでナルトが言ってた
「お前を一番に殺してやる」
↑↑
コミック52巻62ページでサスケが言ってた
……ん?こんな説明、いらない?
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