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*Attention
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感想、ご希望のキャラ等はコメントへ
日によってはR15程度のものもあります。
ご注意くださいませ。
*発売日決定につき再開*
▼あと24日
〜Shiraishi〜
真面目で責任感だって強く、皆の前では完璧であろうとするこの男は、私の前ではひどく甘えただ。 「ねえ、重いからそろそろ離れてー」 「んー?聞こえへんわー」 「…なんか嫌なことあったの?」 「ないでえ。ただ君が愛しいだけや」 嘘だ、と。直感的にわかる。 けれど、私はそれ以上は聞かない。例え何かあったのだとしても、白石には白石なりの解決の仕方がある。 だったら、私にできるのはただ白石をあまやかしてやるだけ。 「ねえ」 「んー?…っ」 私の方を向いた白石の唇を、奪う。 驚いたように息を飲んだあなただけれど、その手はすぐに私の頬に添えられた。 私は願う。 どうか、どうか私の温もりであなたが少しでも楽になりますようにと。
▼あと29日
〜Tezuka〜 手錠で遊んでみようとする手塚。彼女にかけようとするも、使い方がわからずなかなか上手くかけられない手塚。やっとの思いでつけ終え、「痛くはないか。金属は固い、やはり手首に何か巻いてからかけた方が良い」と彼女を慮る。手塚の気遣いを感じながら、つくづく彼はこういう趣向には向いていないのだなぁと実感する。
▼あと30日
〜Tezuka〜 今日、今日だけは。 世にも珍しい手塚を見ることができる。
にやにやとしながら私が眺めていると、彼はちらりと横目で私に目をやり、口内の中のものを充分に咀嚼、そして嚥下。
「ふふ」 「何がそんなに面白い」 「だって、手塚が食べものを丸かじりしてるところなんて滅多に見られないもの」 「……これは、そういう習わしなのだから仕方ないだろう」
手塚が恵方巻を両手で持って丸かじりしている姿というのは、普段の彼からは少し想像しにくい。私にじっと見られて戸惑ったような面持ちも、どこかかわいいと思えてしまうのだ。
▼あと31日
〜Atobe〜
彼よりも早く目覚めてた朝。ベッドから出ようとすると、いつの間にか起きていた彼に腕を掴まれる。 「どこへ行くつもりだ、あーん?」 「服着るんだよ。寒い」 「お前がベッドを出たら俺様が寒いだろうが。ほら、戻れ」 そう言って、強い力でベッドに引き戻される。後ろから抱きしめられ、背中に触れる彼の胸から、感じる鼓動。 触れる素肌の感覚も、その鼓動も、彼の香りも。全てがまだ夢の中にいるように心地よくて、幸せをかみしめた。
▼あと47日
〜Atobe〜
知れば知るほどに、遠く感じるのは気のせいだろうか。私はあなたが好きで、あなたも私も好きなのに、どれだけ近くにいてもゼロ距離にはならない。 「もっと強く、して」「アーン?壊れちまうぞ」「いいの、お願い」 願いの後、私を抱き締めるあなたの腕に力がこもる。もっと強く、もっと強く、いっそ壊して欲しい。心の距離を埋められないのなら、せめて触れ合っていたい。 「跡部、」「なんだ」「跡部、あと、べ……」「…ったく」 呆れたようなため息を漏らしたあなたは、私の髪をゆるやかに撫でる。まるで安心させるようなその触れ方に、私の心は溶かされていく。融解されたその心が、どうかあなたと混ざり合いますように。
▼あと48日
〜Saeki〜
佐伯君の試合を、私はどこか他人事のように観ていた。
監督さんが運ばれて、部員のみんなもいなくなって、もう負けは決まっていて、それなのにどうして彼はあんなに頑張るんだろう。彼は走り回る。美しいその顔に汗を浮かべて、屈辱の表情で。
滑稽だなあと思うのに、なぜか目が離せなかった。あんなに必死でボールを追いかけるのに、一向に縮まらないスコア。振り回されるだけのラリー。 けれどそんな彼が愛しくて、綺麗で、壮絶に格好良くて。
佐伯君の試合を、私はどこか他人事のように観ていた。そんな私の頬を、溢れた涙が伝う。
▼あと49日
〜Tezuka〜
「こたつ入って待っててー」「ああ」「………」「なんだ」「手塚ってこたつ似合わないね」「………」「どう?」「ん?」「こたつ」「足元が暖かいな」「それはよかった。じゃぁ、はい」「……蜜柑?」「うん」「なぜ蜜柑なんだ」「え?こたつといえばみかんでしょ?」「そう、なのか」「そうだよ手塚。何?知らなかったの?こたつに入ったらみかんを食べるって風習があるんだよ。大人しく従っときな」「わかった。いただこう」「(似合わないけどかわいいなー)」
▼あと50日
〜Sanada〜
生きにくそうだなと思った。 真面目に実直に決して甘えずに、己を律しながら、悔しさも苦悩も噛み殺すあなたが。どんなに大人びていても、人間性が確立されているように見えても、彼はまだ15歳なのだから。
几帳面に切り揃えられた髪。その髪に触れ、頭をそっと撫でる。薄っすらと開かれた瞼、そこから現れた強い光を宿す双眸が私を捉える。「…お前か…」「寝てていいよ」「眠ってしまっていた、のか」「疲れてるんだよ。ほら、寝な」彼の瞼をそっと覆う。まつ毛が手のひらを優しく擽り、瞼が閉じられた感覚。「もう少し、」「ん?」「触れていてくれないか」「、うん」再び頭を撫でると、彼は規則正しい寝息をたて始める。
その寝顔に私は、溜息をつく。どうか、どうか目覚めた時、あなたのこの眉間の皺が消えていますようにと願った。
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