東京空虚ラバーズ
一、愛想ラバーズ 二、正義ラバーズ
三、偽者ラバーズ 四、空虚ラバーズ

高校生活最後の春だった。桜の花は、例年通りに咲かなかった。濁った灰色の空が僕らの進級をあざ笑うように渦巻いて、乾いた風を運んできた。
 もうここに春はこない。春だけじゃない、夏も、秋も、冬も、この地からいつの間にか消えていた。どんな季節も生ぬるい不快な風が町を駆け抜け、僕らの心を空虚にした。夢も、希望も、正義さえも、この町には存在しなかったんだ。






  東 京 空 虚 LOVERS





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