東京空虚ラバーズ一、
愛想ラバーズ 二、
正義ラバーズ三、
偽者ラバーズ 四、
空虚ラバーズ
高校生活最後の春だった。桜の花は、例年通りに咲かなかった。濁った灰色の空が僕らの進級をあざ笑うように渦巻いて、乾いた風を運んできた。
もうここに春はこない。春だけじゃない、夏も、秋も、冬も、この地からいつの間にか消えていた。どんな季節も生ぬるい不快な風が町を駆け抜け、僕らの心を空虚にした。夢も、希望も、正義さえも、この町には存在しなかったんだ。
東 京 空 虚 LOVERS
[ 1/20 ][*prev] [next#]
[しおりを挟む]
novel/picture/photo
top