神の愛、人の愛 2 (3/4)

 「ん、はぁ……殿下…やっぱり、いけません。こんなこと…」
苦しげに唇ごとシュナイゼルから身を引いたスザクが、視線を逸らして告げる声が聞こえる。酷く、苦しそうな声だった。シュナイゼルはスザクの顎を掴んで自身の方へと引き寄せ、再び唇を重ねる。
「んんぅ……ん……ふぅ…」
深く、深く、重なる唇。二人の唇の間から、スザクの鼻に掛かった息が漏れる。先程よりも、長い時間重なってから、二人の唇は離れた。
「スザク、脱ぎなさい」
シュナイゼルの低い声が命じる。キスの余韻に僅かに息を乱していたスザクは、その言葉にビクリと震えた。
「殿下、自分は……」
「お前はユフィの代わりに、私を慰めてくれるのだろう?」
「はい、殿下。しかし、こんな方法は…」
「スザク。これは、お前の償いであり、お前の罰だ。脱ぎなさい」
有無を言わさぬ口調。先程まで明らかに気の進まない様子だったスザクが、すっと表情を消してシュナイゼルを真っ直ぐに仰ぎ見た。
「イエス・ユア・ハイネス」


 見てはいけないと思った。見たくないと思った。それでも、ジノは目を離せなかったのだ。そして、止めることもできなかった。ただ、その光景を見ていることしかできなかった。物言わず動かぬ花のように。


 to be continued


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