――エンペラー・アイって覚えてる?
 電話口の向こうから聞こえた声に俺は目を見張った。一瞬、何を言われたのか理解に手間取った。けれどしんと静まり返った車内で桃っちの言葉を懸命に反芻し、そしてやっとのことで瞬きを一つする。
「エンペラー・アイ……って……」
 予想だにしていなかった単語に喉の奥が渇くような感覚を覚えた。
『……うん』
「え、あの、エンペラー・アイ?」
『そう。……きーちゃんが覚えてないわけないよね』
「……そりゃ、もちろん……」
 半ば呆然として頷きを返すと、張り詰めた沈黙が流れる。彼女の台詞は自分を困惑させるに十分足りていた。先ほどまでの社長への行為や感情などいっきに忘れてしまうほど、今になってその名を聞くことになるとは思わなかったのだ。
 何も発せずにいると桃っちも黙り込んでしまい、しかし少し経ってから静寂を破ったのは彼女の方だった。
『……いきなりごめんね。別のことを調べてたら、偶然その名前が出てきて、だから……』
 それは言いにくい内容だろうなと思った。迂闊に催促してはならない話もこの世にはいくつかあるらしい。まだきちんと冷静になれているわけではないが、せっかく話してくれた桃っちに嫌な思いをさせるわけにはいかず、自分もなんとか口を動かそうとする。
「エンペラー・アイに繋がる何かがあったんスか?」
『繋がるかどうか、確証はない。やっぱりどこにも“彼”の痕跡は残されていないわ。ただ、……確証に近いものなら見つけた』
 最後の揺るがない一言から確かな自信が感じられ、それが嘘でも冗談でもないことは明らかだった。でも本当に? あのエンペラー・アイに繋がるものが? ――桃っちを疑うつもりはない。しかし最早タブーとも言えるその件について今更何かしらの情報を得るなんて到底無茶な話であり、徹底的に調べ抜く素質を持っている自分のマネージャーの言葉だとしても、信じ切れない部分はあった。それほどまでに“Emperor.I”が話題に上がった事実は衝撃的だったのだ。
「…………」
『きーちゃん』
「あっ、何?」
『このことに関しては、明日、ちゃんと話すね』
 またしても口を閉ざしていた俺にそう声を掛けた桃っちは、恐らくここ数日で異様なくらいに調査を重ねたのだろう。昔からそうだ。うん、じゃあ明日、と返事をして通話は切れた。さっきまであんなに浮かれたような気持ちだったというのに、もう自分の頭を占める事項は一つしかない。
(……だって、“Emperor.I”は……)
 からからに乾き切った喉を潤したくて溜まった唾を飲み込む。右手が無意識のうちにエンジンを掛け、自宅へ向かうべく愛車を発進させながらいろいろなことを思い出していた。その名に纏わる知っている限りの情報が脳裏を駆け巡り、同時に過去の己の姿まで浮かんでくる。俺からすればとても、とても大きな存在なんだ。
 思考が停止したかのように無心で運転していた為、よく何の事故も起きずに帰ってこれたな、とぼんやり思ったのは家の駐車場に止めている時だった。社長が住んでいるアパートより三十分弱、親から貰い受けた一軒家だ。本当はセキュリティーに隙のない高級マンションで暮らした方が安全だし、ここまで世間に名を馳せるようになった今、事務所の先輩や桃っちからもそれを奨められることが多い。が、自由奔放にも程がある両親が俺の為になどと言って実家とは別にこの家を勝手に購入し勝手に押し付け、捨てることもできずに十年余りの生活をここで送っているのだった。
 ファンに住所を特定されているという情報はなんとなく耳にしている。けれどまだ直接的な被害は受けていない上、オフィス街からも住宅地からも一つ離れたこの場所は夜が特に静かだ。響くのは近くを通っている路線の踏切音くらいであり、あとは昼間、家の裏側から見える小学校のチャイムがふとした時に聞こえてくる。夏場は窓を全開にしているのか、吹奏楽部の演奏が音楽室からほんの僅かに届くこともあった。近所の人達は自分が中学生の頃から知っているおかげで今更冷やかすような奴も居ない。喧騒とした都会の中心とは違う、緩やかに過ぎて行く空間を俺は気に入っていた。だからなかなか離れられない。
 部屋のどこからも明かりが漏れていない様子を見る限り、二人の姉は来ていないようだ。ほっと胸を撫で下ろして鍵を開け、玄関で脱いだ靴を揃えもせず廊下に上がった。そしてまた一枚のドアを開けたそこがリビングとなっている。
「ただいまー……」
 なんとなしに呟き、ぼす、とソファーに倒れ込む。疲れた。いや、体は微塵も疲労など溜まっていないが、頭を使い果たしたような気分だ。うつ伏せに寝転がってクッションに顔を押し付けていたら呼吸がしづらくなり、体を反転させて吹き抜けの天井を見上げた。電気を点けるのを忘れていたが起き上がる気にもなれない。
「……はぁ……」
 一人暮らしにしてはつくづく広すぎる家だ。二階建てではあるものの、上はほとんど物置と化してしまっている。撮影を終えて頂いた品や自ら集めたブランド物、仕事で必ず貰う雑誌の余部など、片付けを怠った室内は酷く散乱していた。まだ一階はそれなりに綺麗な状態と言えるかもしれないけれど、掃除機だって毎日掛けられるわけじゃない。ベッドは一階の寝室――リビングの隣の部屋に収めている為、尚のこと二階へ上がる機会は少なかった(姉が来た時だけ上で寝かせているくらい)。
 真っ暗な室内に淡い月明かりが一筋差し込んでいる。そういえば今日は半月だったな。助手席に座っていた彼が、窓の外に視線を向けて月を見詰めていたその横顔が、どうしてか忘れられない。肩に掛けていた鞄と外した腕時計をそのまま床に落とし、右腕で顔を覆うように視界を閉ざした。
 社長を迎えに行った時の小さな緊張が解れていく反面、桃っちの話が頭から離れずにぐるぐると巡っている。あー、と呻くように声が漏れていた。
「なんでだよ……なんで、今更……」
 エンペラー・アイなんか、と思った。俺の中で、否きっと世界中のアパレル業界の中で、その存在は消えかけていたのに。
 姿形の捉えられない一つの名前と、会う度に自分の目を奪っていく一人の人間。本来ならば重なり合うはずもないが、何故かシルエットが被るような感覚を覚えた。俺は一体何を考えているのだろうか。赤司征十郎は出版社の社長で、それ以外の何者でもなくて、だったら“Emperor.I”とは何も――。


 夢を見た。
 それは過ぎ去った月日を振り返るかのような夢で、あるいは走馬灯と呼ばれるものに近かったかもしれない。始まりは八年前、中学を卒業した春休みだ。ちょうど桜の開花時期がニュースを占め出した頃、いきなり母親にこの地を紹介されたのである。今日から涼太の家はここね! なんて至極明るく笑って。ちっとも理解が追い付かずに眉を顰めていると、お母さんとお父さんはアメリカに行ってくるからと突拍子もない発言をされた。

――はぁ? アメリカ?
――そ、向こうで仕事があるの。それで前の家は売り払うつもりだから、涼太は高校が始まったらここに住みなさい。もうお姉ちゃん達にも一つずつあげたわ。
――……え、家を?
――そうよ。

 絶句するほかない。当時、姉弟三人に対しまるでゲーム機を買ってあげたとでも言うかのように本物の家をプレゼントしてきた両親は心底頭がおかしいと思っていた。いつから黄瀬家はそんな大富豪になったのかと瞠目したが、俺が幼くて知らなかっただけであり、元々母方の実家が結構なお家柄だったらしい。そして両親は二人揃って外国に名を馳せる人間だ。仕事で成功すればここまで裕福な生活が待っているんだな、十五歳の脳みそはその程度のことしか考えていなかった。
 しかし未成年を家主にするほど馬鹿ではなく、自分が二十歳になるまでは家に関する諸費を何も言わずに親が負担していた。それが少しの前触れもなく突然切られた成人直後、暫くの間は生活が苦しかったことをよく覚えている。色々と、自分を苛む事態が同時に起こったのだ。
 一人暮らしを始めてから両親と連絡を取り合う機会は滅多になかった。それは姉も同じだったらしい。ごく稀に向こうがエアメールを送ってきたが、読めば大した内容ではない。俺が律儀に返事を書いていたのもせいぜい最初の三年間くらいであり、大学へは行かない、その一言が最後に母へしたためた手紙だった。
 二人の娘と一人の息子にそれぞれ住む場所を与えた親の意図も考えも、昔は全く以て理解できていなかった。ただの気まぐれだろうとさえ思った。けれど薄々勘付いていた部分もあり、そこに少しの意味も含まれないわけがなかったのだ。何も無い空間へ子供一人を投げ込んで、あとは好きに暮らしていいなどと無理難題を押し付けてきた両親は――姉にも俺にも、早く独り立ちしろと言いたかったに違いない。
 自立。私達はとにかくそれを望んだ親の子だと、最初に悟り結婚したのが長女だった。
 おかげで放任主義どころか自分達を本当に我が子として認識していたのか、育てる気があったのか、はたまた家族愛なんてものは存在していたのか、世間では当然なのだろう確信が未だに得られていない。ただ一つだけ信じていたことがあった。父と母を結んでいた感情だ。どちらもアパレル業界に全てを投じる身で、いつだって仲が良く、時には研磨し合い、揃って納得してアメリカへ旅立つほどそこには強い愛があったのだ。と、極めて単純な理想を彼らに抱いていたわけだ、俺は。
 五人で暮らしていた時代に垣間見えた両親の恋愛の形は模範だったと言えるだろう。父親は仕事に励む傍ら常に母親を大切に想い、母親は家で服飾のデザインに夢中になりながらも父親を笑って支え、四十を過ぎても若いカップルのような二人の雰囲気は恥ずかしくも自慢だった。誰よりも、何よりも幸せそうだったからだ。まるで予定調和なラブストーリーを描いたドラマのように『完璧な恋愛』を目の当たりにして十五年間育ったことは――しかし、この人生において、最大で最高のデメリットとなる。
 “完璧”が崩れた瞬間に、思い知った。

――ごめんね涼太。お母さんとお父さん、離婚しちゃった。


「ッ……!」
 はっと目が覚めたら呼吸を止めていたのかと思うほど酷く苦しかった。瞳孔が開き呆然とし、肺から深く酸素を吸い込むように肩で呼吸をしてしまう。嫌な汗を掻いていたせいか背中が湿っていた。
 広がった視界にはいつもと変わらない無機質な天井。絶え間なく響いてくる小鳥の囀り、カーテン越しにも伝わる日差しの明るさ。戦慄く唇から細い吐息が零れ出した頃に漸く理解する。昨日、家に帰ってきてすぐに寝転がった後、いつの間にか俺は眠ってしまい、もう朝を迎えたのだと。
「……ゆ、め……」
 夢か。ぽつりと呟いてすぐ、今何時だと我に返る。時計、時計、と何故か壁に掛かっているものには目をやらず床に放り投げた腕時計を探そうと手を伸ばしたら、バランスを崩してソファーから自分が落ちた。思い切り体を打ち付け、痛みに悶えながら急速に頭が冷えていく。
 まだ五時半にもなっていないらしい。かちかちと一定の動きを見せる時計の針はそう示し、温度のない床に仰向けになって大きく溜息をついた。いくらなんでも早すぎだ。私服に身を包んだまま風呂にも入っていないし、なんだか全身が重い。恐らくソファーなんかで一晩寝てしまったせいだろう、この身長だと快適なベッドとは程遠かった。
 あの日々の夢を見たのは久々だ。けれど相変わらず、親元を離れ一人暮らしを始めなさいと告げられた瞬間から始まり、最後の台詞で必ず目が覚める。続きはない。恐らくその後は目も当てられない自堕落な生活が待っているから本能が見たくないとでも思っているのだろう。だったら過去の夢自体、いい加減やめてほしい。
 数年ぶりに“Emperor.I”の存在を意識しただけでこのざまか。
(最悪の寝覚めだ……)
 舌打ちをして起き上がり、とりあえず顔でも洗おうと洗面所へ向かう。そして鏡と向き合い、うわ、と声が漏れた。
「ひでー顔」
 睡眠はきちんと取っているおかげで隈が出来ているわけでもないが、一目でわかる程度には見れたものじゃない顔ばせをしている。この仕事は己のコンディションやモチベーションが大きく影響し、良い表情を作れる瞬間というのは毎日やってくるわけではないのだ。人の面様は意外にも些細なことで簡単に左右されてしまう為、健康の状態から心持ちまで、他でもない自分が管理する必要がある。
――だというのにこれはまずい。今回はレディース向けファッション誌に特集としてメンズコーナーが組まれ、その表紙と巻頭ポスターの撮影を控えている。ちょっと悪夢を見たので調子が悪いです欠席しますなんて我儘が通れば苦労はないが、生憎そんなことは俺自身望んでいないし、何が何でも気を取り直さなければならない。すっきりと心を入れ替える方法。自分にとってそれは一つしかなかった。
 顔を洗って完全に眠気を覚ましたところで、私服からTシャツと上下黒一色のウィンドブレーカーに着替える。五時台ならまだ大丈夫だ。フードを深く被り、愛用しているサングラスを掛けて家を出た。一歩間違えればただの不審者にも見えかねないが仕方がない。出勤や通学の時間となって多くの人が外へ出る前にひとっ走りしてくれば、少しは気分も晴れるだろう。
 こういったランニングは嫌いじゃなく、事務所から最も近いジムにも会員登録をしている。学生の頃は器用さを活かして多くの運動部を転々とし、飽きたら辞め、ヘルプで試合にだけ出場なんてこともよくあったのだ。おかげで体力づくりは怠らず、大人になった今でも週に何回かはトレーニングをするように心がけている。
 そしてあまり大道には出ず、入り組んだ住宅街を淡々と走り続けること小一時間。澄み渡った空には太陽が上へ上へと昇り始めていた。この辺りは丘の上である為に坂も容赦がなく、十分に汗を掻くことができる。
 程よく息も上がってきたところで家の前まで戻り、郵便受けに突っ込まれていた封書や広告を取り出して中へ入った。そろそろ世間の人々が活動し始める時刻だ。誰に見つかることもなく帰宅し、郵便物はリビングのテーブルに放置。フードとサングラスを取って浴室へと直行した。
 ウィンドブレーカーの内側で大量に掻いた汗を流すべくシャワーを浴びれば、温まった体からも徐々に力が抜けて行く。一時間走った程度ではまだ筋肉が悲鳴を上げるということもない――と言いたいところだが、実際以前より筋力は落ちているだろう。トレーニングを重ねるあまり筋肉質な体型になるのは良くないと助言するスタイリストも中にはいるが、ちょっとやそっとで変わるものではないし、体力維持の為にも暇ができたらジムへ行くことはやはり欠かせない。
 さっぱりと流し終えたところでシャワーを止め、前髪を掻き上げて水が滴る鏡に映る自分と再び向き合った。
 目元、眉、頬、口角、一つ一つから受ける印象によって黄瀬涼太の全体像は変わる。いくらメイクを施されると言っても結局は元だ。元が良くなければ誤魔化しも効かない。不安定な感情に影響されて支障が出ていないかどうか、しっかり自分の表情を見極めるというのは大切だった。
(よし、)
 大丈夫だ。そう確信して浴室を出る。無心になって走ると大抵は嫌な思いを忘れられ、いつも通りの俺に戻ることができるのだった。
「……あ、やべ」
 しかし体を拭いたところで着替えを一式忘れていたと気付き、腰にタオルを巻いて二階へ上がる。どれでも構わない。箪笥に仕舞ってある下着とクローゼットに掛かっている私服を適当に引き抜き、その場で着てタオルだけ脱衣所の籠に戻しに行った。ちなみに今の一連の流れは姉が来ている時にやったら締められる。
 調子を取り戻せばあとは普段と同じだ。事務所へ行くまでにはまだ時間がある為、パンを焼いてインスタントスープを開封し、コップに粉とお湯を注ぐ。明らかに不必要な気はしている四人用のダイニングテーブルに朝食を並べ、椅子に座って先ほど取ってきた郵便物を端から確認していった。料金表が収められた封だけを残し、その他の取るに足らない広告はごみ箱行きだ。
 あまり読む気のない新聞は取っていない。代わりに情報や天気に関してはネットを活用し、テーブルに置きっぱなしのノートパソコンからは常に充電コードが伸びていた。ただ暮らす分には何不自由ない快適な空間だけれど、ふと見渡せば物は整理されていないし一人しかいないのに広すぎるし、社長のアパートの方が好きだったな、となんとなしに思った。


 数時間後、まずは『TiPOFF』の結果を確認しなければならない。予定通り十一時に事務所へ顔を出すと、いつもと変わらず自分より先に来ていた桃っちが喜色満面のご様子。それもそうだ。
「おめでとう!」
 ばんっ、と目の前に提示された紙面に、合格の二文字が大きく記されていたのだから。
「……うわ、マジで」
 受かったんだ。
――届いていた『TiPOFF』合格通知を見るなり呆然と呟く。自信はあった。全く予想していなかったなんてことでも断じてない。けれど、やはり実物を見ると言い表しようのない感情が込み上げた。一枚の通知を俺に手渡した桃っちが心底嬉しそうに肩を叩いてくる。
「これで正式に合格、『TiPOFF』専属モデル確定よ。もう社長も知ってるわ」
 専属モデル確定、その一言を反芻した。
「はー……実感湧かないっスね……」
「何言ってるの! 私は最初からこのつもりで引き受けたんだから」
「……桃っちの計画通りっスか、ここまで」
「ふふ、それは違うわ。結果は、きーちゃんの努力が実っただけの話」
 とか言って、可能性のない仕事は拾ってこないでしょ。おどけてそう返すと「何事も効率良くね」とウィンクまでされ、何かのコマーシャルにありそうな宣伝文句だなと笑ってしまった。
 柄にもなく緊張を覚えてオーディション撮影に臨んだ日を思い出すと、あの状態から合格という文字を貰えたのは半ば奇跡に近いようなものを感じずにはいられなかった。が、自分の成果を偶然生まれた奇跡などと片付けてはならない。実力としてしっかりと受け止め、糧にしなければ意味がないのだ。
(受かったんだ、俺は……)
 じんと熱くなる胸に嬉しさも喜びも秘め、顔を上げる。でなければうっすらと視界を濁す水滴がそのうち零れ落ちてしまいそうだった。
「改めておめでとう、きーちゃん。頑張ろうね」
「うん。桃っちの将来計画は崩さないっスよ」
「あははっ、楽しみにしてるわ」
 誰よりも信頼しているマネージャーへの恩返しも兼ねて、俺は一歩ずつ進まなければならない。必ず成長しよう、心の中でそう決意した。



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