吐いた息が真っ白に染まる。昔はよくそ の白い息で輪っかが作れないかな、なんて遊んだりしていた。

手袋の上からカイロを触る。こんな小さ いのにこんなに暖かい商品を作るなんて、凄すぎる。作った人は歴史の教科書に載るべきだ。

お母さんたちにばれないように家から出て5分。夜の住宅街は怖いくらいに静かだ。その中、自転車を漕ぐ音が聞こえ た。

「名前!すまんこんな寒い中待たせて」
「いいよいいよ。わ、蔵寒そう!なんで 手袋してないの」
「や、いらへんかなー思うて」
「普通いるでしょこんな寒いのに!」
「俺の事はええから、行くで。早く名前に見せたいねん」

蔵は私を急かすようにそう言う。私は蔵の後ろに座った。
ハイスピードで自転車を漕いでいる蔵の 手をまわす。蔵の背中は広くて、抱きつくと凄く安心する。

このままくっついたままでもいいかも、 なんて思っていたら自転車が止まった。 目的の場所に着いたみたいだ。

「こっからは歩きやねんけど、平気?」
「うん!」

小高い岡を登る。風でさらさらと揺れる 葉までもが寒いと言っているように聞こえる。蔵は私が階段を踏み外さないよう にずっと手を握ってくれていた。こんな 心配性な所も好きだな、なんて。

少し経ってからやっと岡の頂上に着く。

「う、わぁ…!」

そこから見えたのは、夜景。大阪全部を眺められる位に広がる景色。

「名前、こっち。」

蔵に促されてベンチに座る。大阪とは思 えないほど綺麗だ。

「ここ、昔からよく来とったんや。落ち込んだ時とか…。、名前に見せたい思う て」

「綺麗、綺麗過ぎるよ…!」

夜中なのに鮮やかに光っている電気が、 カラフルに闇夜を飾っていて、輝いてい た。まるでダイヤみたいに。
夜景に目を奪われていると、指に冷たい感触がした。

「え、蔵」
「ハッピーバースデー、名前。」

左手の薬指の、憧れていた銀色の輪。
腕時計を見れば11月23日にちょうど切り 替わったばかり。
完璧すぎる素敵な誕生日プレゼントに感動せずにはいられない。

「あ、りがとう…!」
「今はそんなんやけど…、大人になったら 一生もんの指輪、やるから」
「っ…!」
「やから、俺から離れんといてな?」
「当たり前っ…!」

指元に輝く愛

二人で寄り添って見る景色はさっきより も輝いて見えた。


うおっきゃぁぁぁ!!はるっち!ありがとう!誕生日小説エクスタピアス誰がいい?って聞かれたから全員好き(はーと)って言った結果がこれだよ!11月23日をお話に入れてくれてありがとう。首、腕、指ときらきらだよ!三つともすごーく心が温まるお話でした。こんな誕生日素敵すぎる…!この三話が続き物として読んでた私はちょっと笑ってしまいました。一日に三人攻略(笑)(笑)浮気(笑)ごめんごめん、嘘です。ちょっと言ってみただけです。いつも感想とかくれてありがとうね、わたしもはるちゃんの優しいお話が大好きだよ!サイト運営応援してます(//∇//)

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