11月23日。勤労感謝の日に私は生まれた のである。ただし祝日なため、当日に祝ってくれる人は結構少なかったりす る。

でも今日は今までと違う。彼氏とデート の約束をしているのです!
私の彼氏、光と駅前で待ち合わせしてい る。…でも、光が来ない。待ち合わせの時間からもう30分も過ぎてる。

…事故とか遭ったりしてないよね。

少し心配しながら、マフラーを巻きなお してスマホをいじっていると前方に見え て来た見慣れた黒髪の少年。

「っ、名前先輩、遅れてすいません…」
「いいよーちょっとしか待ってないし」
「いやもう30分も過ぎとるし。誕生日に 遅れるとか、ほんますまん…」
「はは、いいよいいよ。楽しめればいい し。行こ?」
「、はい」

二人で駅前のお店を沢山回って歩き疲れ たころ、私達は暖かそうなカフェに入っ た。

「ん、ここの店善哉ある」
「光ほんとに善哉好きだね」
「善哉は睡眠とネットと同じくらい大切なんです」

メニューに善哉の文字を見つけて光は上 機嫌。今なら、聞いても良いかな。

「ねぇ光」
「、なんですか?」
「今日、なんで遅れたの?」
「、ああー。えーっと。まぁもう聞かれたらしゃーないっすわ」

光が困ったように私の目の前に小さなお 洒落な袋を出してきた。

「それ取りに行ってたら遅くなって、ほ んますいません」
「え…、開けて、いい?」
「どうぞ」

緊張しつつ袋から小さな箱を出して、箱 のリボンを解いて開ける。

「わぁ…可愛い…!」

中にはハートが沢山散りばめられた、だ けど大人っぽくてお洒落で光らしいセン スのブレスレットが入っていた。

「つけていい?」
「ん、俺がつけたります」

そう言われて右手に付けられたブレス レット。光に貰ったから余計輝いて見え る。

「すごい綺麗…!私の腕が輝いてるよ 光…!」
「、それ、1ヶ月くらい前から名前先輩に いいなと思ってて。でもいざ買いに行こ うとしたら、23日に在庫が入ります言わ れて。」
「だから遅れたの…?」
「…おん」

照れくさそうに俯く光。やばいデレ光珍しい。でもそんなのに構っている暇はな い。一人でアクセサリーショップに行っ て私の為にブレスレット買ってくれて、 急いで待ち合わせ場所に急ぐ光を想像し てしまう。

やばい、私、人生史上最高に嬉しいかも しれない。

「光、ありがとう…!永遠に付け続ける よ…!」
「したら、効果抜群ですわ」
「…効果?」
「先輩、ブレスレットが何て言われてるか知ってます?」
「え…ブレスレット?」
「ちゃいます」
「分からん」
「手錠って言うんですよ」

そう言って光は妖しく笑った。

「名前先輩、お誕生日おめでとうござい ます。手錠の鍵は一生解きませんから、 覚悟しといたほうがええですよ?」
「上等です…!」
「好いとりますよ、先輩。誰より一番、 先輩の事好いとる」

手首に輝く愛

甘い言葉の連続とそれよりも甘い糖分高 めなキスで容量のない私の心はいっぱいいっぱいになってしまった。

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