今日は年に一度のあれだ。まあ、誕生 日ってやつ。 私の誕生日は休日なので、大学の友達と 何人かで集まりご飯を食べた。 お昼頃にみんな集まって、ご飯を食べ て、プレゼントももらって、幸せをたっぷりと感じて、帰ろうかとなっていたところだった。お店の雰囲気がいきなり変わるわ、大合唱するわ、店員さん(イケメンだなって思ってた人)がケーキを持ってくるわ。 終わりだと思ったのにこれはずるい。涙腺崩壊。

そんな帰り道。

「今日は家帰ったら、お風呂入ってポケモンしよ。最高な誕生日だ。」

この季節だと6時ではもう外は真っ暗。 冷たい風が頬をかすって、少し震える。

「誕生日もポケモンかよ。」

マンションの近くまで来たので、鍵を探 しながら歩いていると、よく知っている 声と立ち姿。外は真っ暗で、あいつも黒いから目立たないけど、誰だかはすぐわ かった。

「え、ちょ、青峰?!何してるの?」
「お前待ってたんだけど。」

聞いてない。待ってるなんて聞いてな い。しかもこいつポケモン馬鹿にしたよね。

「なんで…」
「なんでって、お前の誕生日だろ?今 日。」

いや、そうだけどさ。私が聞いてるのは そこじゃない。大体何時から待ってたん だ、この寒い中。いつまでたっても青峰の考えてることってよくわかんない。

「だから、祝いに来てやったんだよ。」
「あ、うん。有り難う。」
「それだけ?反応うっす!」
「うち、入る?」
「は?なんのためにここまで来たと思っ てるんだよ。ほら、早く荷物おいてこいよ。」
「え?」
「だから、これから出掛けるっつってん だよ!ほら!」
「う、うん!」

突然現れたと思ったらこれだ。どこに行 くかも全然分からないけれど、そんなこと私にはもうどうでもよくて。 急いで家に帰って、もらったプレゼント だとかはとりあえずベッドの上に置いと いて、少し髪を整えてグロスを塗り直し てから家を出た。

私が戻ると、青峰は私の手をとって歩き 出した。手、すごく冷たい。いつから 待ってたのかな。 ふと、どこに行くのかと聞いてみたら、 決まってないと言われたけど、そういえ ばこういうやつだったと再確認。

適当に駅の方に向かって歩いていたら、 青峰がお腹すいたというので近くのファ ミレスに入った。

「これから、どこに行くの?」
「行きたいところとかねーの?」
「…特に。」

いや、いきなり言われましてももう時間も時間ですしお寿司。 青峰が少し考えた素ぶりをしてから、 じゃあお前ん家行くか!なんて言うもん だから、ほんと無計画だなーと思う。 出かけるんじゃなかったのか。 まあ、ドリンクバー奢ってもらえたから いいや。
1時間ほど前に歩いた道を戻っていく。途中で、コンビニに寄り、飲み物やらお菓 子やらたくさん買った。寒いけどアイス も買った。割り勘だった。 じゃんけんで負けて私が飲み物入りの思 い方の買い物袋を持つことになった。くそ。

東京の方では音は違うらしいが、ファミマのドアの開閉の音を後に外に出た。 お互いに空いてる方の手を繋いですっかり人気のなくなった道を歩く。

「わっ!」

いきなり青峰が止まるから私も後ろに 引っ張られるようにして止まった。

「名前…」
「な、なに?買い忘れあった?」
「誕生日おめでとう。生まれてきてくれ て有り難う。」
「あ、…えっ」

いきなり何を言い出すのかと思えば、青峰は私の手を引っ張り自分の方に引き寄 せると、私のおでこにキスをした。

「好きだよ。」
「あ、あたしも!!!」

そういうと青峰はふっと笑って、繋いで いた手を離しポケットに入れると、ピン クの包みのプレゼントが出てきた。

「あ、有り難う」
「どういたしまして。」

よし、行くか。なんて何事もなかったか のようにまた私の手をとって歩きだす。 なんでこのタイミングでプレゼントを渡 すのかとかもほんとによくわからないけ ど、きっと私のために似合わない可愛いお店に入って選んでくれたんだなとか思 うとどうしてもにやける。

この包みは私のお気に入りのお店のもの だから、さ。

「やっぱり、好きだなあ」
「あ?」
「なんでもなーいっ!」

こんな静かな夜だから絶対に聞こえてるはずなのに、確信犯だ。

この時間がほんと幸せで、るんるんで歩 いてたからきっと私の持ってる袋に入ってる炭酸は大変なことになってるのだろ う。 そんな、くだらないことを考えながら夜の静かな道を2人で歩いた、11月23日。

家に帰ってからは朝まで2人でポケモンし ました




はるちゃんありがとううううう!サイトに来てくださってる方に頂きました。小説初書き?であるにも関わらずすんばらしいなおまえ。夢小説歴五.六年の私も真っ青だよ。このまま小説を書き続ければいいのに。私が青峰青峰青峰うるさいから書いてくれたんだよねッ!途中のファミマネタは笑った(笑)田舎ではふぁみふぁみふぁみーまとか流れねーから、知らねーから(真顔)ポケモンネタもくっそわらった。ごめんね、貴方と電話してる時も「ぬおわぁぁぁ!!!5Vキターーー!!ぬおおおお!努力値振り間違えたくっそーー!!」とか、叫んでたもんね。どうしてこんな私と仲良くしてもらえてるのか、分かんねーや。まじで。本当に素敵な小説をありがとう。大好きデース!!

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