寒さが厳しくなるにつれて、洋平の気持ちもどんどん冷たくなっていく気がした。勘違いとかそんなものではなくて、分かりやすく私から離れていってる。その代わりに洋平の携帯がピンク色に光る回数が増え、もうダメ押しされた気分だ。


一度も触られていなかったら、きっとこんなに悲しくないんだよ。洋平の温もりを知ってるから余計に辛いんだよ。


もう前みたいに抱きしめたりしてくれないのかな。二度と触れ合うことはないのかな。ちょっとでも私を好きだと思っていたこと自体、気のせいだったのかな。


「なまえ?」
「ん、」
「あー、いや。なんでもねぇ」
「…なによー!また変なこと思いついたんでしょ」


困った顔を見せると、洋平を不安にさせちゃうからこんな状況でも私はふざけるしかない。


それだけが私のプライド。


唯一彼女に負けない、私にできることなの。


わ ら っ て 


洋平の顔がそう言ってるように思えて仕方ない。だから私は笑う。なにがあっても、どんなときでも。


ねぇ洋平、私はうまく笑えてる?
あなたを心配にさせてない?


好きになってくれなくてもいいから、私と一緒に喋って。遊んで。そして笑って。


でなきゃ私は、どうしていいかもう分からない。


(what will I do)


街の光はまるで星屑のよう。街角にはクリスマスツリーが豪勢に飾られていて、心のすき間にむなしく滲みた。綺麗な夜だからこそ、切なくなる。綺麗な夜だからこそ、今ここに洋平がいてほしい。洋平がいないなら、キリストが産まれた日だろうと私にとっては完璧な夜なんかじゃない。


「なんちゃって」なんて後ろから、怒らないから来てちょうだい。
、なんちゃって。


かじかんだ手をこすりながら、真冬の空を見上げた。神様、私は間違っていますか。







24



誰か、たすけて


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