友を越えて、


ナルトとサスケみたいになったりしねーよな。


その言葉が心に深く深く残ってしまった。どうしても答えられなかった。どう答えても、シカマルの中で私はナルトとサスケみたいな友達関係でしかないんだ。どこまでいっても交じわることはないんだ。


、そう思っちゃったから。


私はアカデミーの頃からシカマルが好き。なんでサスケがモテるか分からない数少ない女子の一人だった。むしろ、シカマルはモテるんだと密かに思って内心ビクビクしていた。だから自分の気持ちをナルトとかに教えたりしてない。私だけが知ってる、恋心。


「はぁ、」


思わずため息がこぼれる。あの後シカマルと別れて自分の家に帰ってきたはいいけど、頭の中はそのことばかり。ちょっと前まではサスケの気持ち分かるなぁとか思ってたのに、シカマルの言葉に心中乱されまくりだ。そして気がつけば涙が垂れるのだ。


「ふ、」


なにが悲しいんだろう。告白したわけでもない、フラれたわけでもない。一生友達宣言だって、捉えようによれば嬉しいことだ。強いて言うなら、答えられなかった時の、シカマルの悲しそうな顔。それがすごく脳裏に焼き付いている。そんな顔をさせるつもりじゃ、なかったのに。


その誤解だけでも解きたかった。頬を伝う涙を拭いて、家を出た。何度も通ったシカマルの家に向かって歩を進めれば、またいろんな思い出が蘇って視界が歪んだ。なにを言えばいいかも分からない、けどこのままは嫌。その気持ちだけが私の体を突き動かしていた。


「シカマル!」


ヨシノおばちゃんに挨拶だけしっかりして、そのまま彼の部屋へと入り込むとベッドに寝転がる彼の視線とぶつかった。


「なまえ、え、どーしたんだよ」
「さっきの質問、答えてなかったから」
「あー、いいって。忘れろって言ったろ?」
「ダメ!やっぱり答えるよ!」
「、なんだよそれ。聞きたくねーって言ってんだよ!」
「そっちが聞いといてなによそれ!このまま答えないなんて気持ち悪いんだからね」
「じゃーあん時答えろよ!なんでいまさら、」
「答えらんなかったんだもん!私はシカマルが好きなのに、シカマルが俺ら一生友達みたいなこと言うから!!」
「…は」


喧嘩腰だったせいかお互いの距離がいつのまにかすごく近い。勢いに任せて放った言葉が宙に舞えば、シカマルはなんとも間の抜けた顔で止まってしまった。


「う、わーー今のなしなし!言っちゃった、言う予定なんてないから!違うーナルトとサスケみたいにはなんないって言いに来ただけなの!」


慌てて弁解するように手をぶんぶん振る。おまけに早口で顔も赤いと思う。シカマルはといえば、急に視線を外してからずっと無言だ。


「か、帰る!」


居ても立ってもいられなくなって、身体の向きを変えると後ろにいたシカマルから手を掴まれた。


「、帰んなくていーから」
「えっ」


驚いて振り向くと、顔を赤らめたシカマルがそこにいて。掴まれた手から伝わってくる体温もまた熱くて、緊張とか全部なくなっちゃって思わず笑ったんだ。








(シカマル、顔赤いよ?)
(うるせー)








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