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I

あとがき

 この度は爆豪長編「Iの軌跡」に最後までお付き合いくださりありがとうございました。無事に完結させることができてホッとしております。

 既にどこかでも呟いたと思いますが、私は原作沿い設定で長編を書くのがすこぶる苦手です笑。原作におけるキャラクター達の思考や行動理念をいくら考察しても今後原作が進むにつれて歪みが生じてしまうような気がして怖いから、というのが最も大きな理由ですが、それ以外に、そもそも私には原作にできるだけ違和感なく夢主を溶け込ませた文章を書くスキルが足りていないと思うから、というのも挙げられます。
 原作沿い・そして幼馴染。このサイトだけでなく他にも五万とあるであろう設定にもかかわらず、連載中に沢山の方から「続き楽しみにしてます!」「キュンキュンします!」などの嬉しいご感想をいただき、読んでくださっている方がいるんだなあと感動するとともに、執筆の活力となっておりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 分かりやすいタイトルなのでお気付きの方もおられると思いますが、「Iの軌跡」は「愛の軌跡」という意味合いをかけて付けました。最終話の最後の一文はタイトルを考えた時から決まっていたフレーズです。
 ちなみに「I」に辿り着くまでアルファベットをごちゃごちゃ使って進めていくというのは最初から決めていたので、全26話でまとめるというのも決定事項でした。プロットというものを書かない見切り発車人間なので上手くまとめられるか不安しかありませんでしたが、無事に納得のいく形でおさまって良かったです笑。
 ちなみに爆豪が「愛」によって周りから驚かれるような言動を取ってしまうのは「奇跡」みたいなもの、という意味では「愛の奇跡」という意味にも取れるんじゃないかなと思ったりしています。解釈は色々ありますのでお好きなようにお考えください。

 私の勝手な解釈における爆豪勝己は「一度好きになった相手は死ぬまで(死んでも)好き」というのが大前提です。ので、この連載における爆豪勝己はずっと夢主のことを追いかけてばかりだったと思います。その描写を彼らしくないと思う方もいらっしゃったかもしれませんが、私はああいう男だからこそ誰かに縋り付いて欲しいと思って書き進めていました。
 途中からデクの存在がほぼ空気になりましたが笑、三角関係ではないにしろ、爆豪がデクに対するコンプレックスを抱いているのは間違いないので、原作では今のところ描写のない爆豪勝己だけの確固たる何か(=夢主)を与えてあげたかったんですよね。
 本編の中に「なんでお前までアイツを選ぶんだよ…ッ」という爆豪のセリフがありますが、このセリフを言わせたいがために書き始めたと言っても過言ではありません。爆豪にとって誰か(もしくは何か)に選ばれるというのは、普通の人以上に大きな意味があるんじゃないかと思っています。「ナンバーワン」「一位」というものにこだわるのも、そういう分かりやすい形じゃないと「認められた」「受け入れられた」「選ばれた」というのが実感できないからではないか…と。
 夢主の“個性”は爆豪とのキスの描写を入れたいがために考えたものです。始まりはとっても不純ですが、サポート科ヒロインとしては便利な“個性”だったのではないかと思います笑。

 爆豪についての考察を語り始めるといつまで経っても終わらないのでここらへんにしておきますが笑、このお話は原作沿いと言いつつ原作とは違うパラレルワールドのお話だと思って読んでいただければ幸いです。原作においても、爆豪が確固たる何かを得られますように。

 最後にもう一度、当サイトにお越しくださり、そしてこの連載にお付き合いくださり、ありがとうございました。

2019.10.31 あげは