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2013/02/24 (Sun) 18:34 「手間を取らせおって」呟いた男の青い背広は返り血で真赤に濡れていた。血振りをした刀を拭こうと懐から出した懐紙も斑に赤く使い物にならない。今しがた斬った死体とこの服をどうするべきか。一服しながら考えようと探り当てた煙草も、赤く湿気って吸えたものではなかった(三笠、お題:赤いのに青い)comment(0)
2013/02/24 (Sun) 18:33 火鱗に鉄牙 東のくちなは 弾指の一つで龕灯返し 「金輪奈落に左様なら!!」独特の節回しで歌い終わると同時に、三笠は指を鳴らした。刹那、牙を剥いていた式鬼の全てが炎に包まれる。後には灰も残らない。「格が違うんだよ」絶句する式主を睥睨して、彼は強者の風格で笑った。(虚数戦闘)comment(0)
2013/02/24 (Sun) 18:33 龍髭で作った線を蝦蟇の油で磨いた千年樹の胴に張る。弓には麒麟の鬣を依った弦。琴柱は一角獣の角、爪は蛟の鱗から削り出した高級品。師走、年を送り年を迎えるこの時期、神々の宴に楽を供する為、付喪神達は身の手入れに余念が無い。そんな彼らの弦を張り直し胴を磨く。又三郎の年末はそうして過ぎる。(又三郎)comment(0)
2013/02/24 (Sun) 18:32 守りたいのではないのです。只々戦いたいのです。戦って得た物で己を形作るのが至上の歓びなのです。修羅とはそう云うものなのです。(そう語る彼にも、嘗ては守りたいものがあったのだ)(????)comment(0)
2013/02/24 (Sun) 18:32 時代を更新した戦の炎が北の地で絶えてより二年。東京と名を変えたかつての江戸の片隅、多摩川沿いの街道に店を構える骨董商があった。年齢不詳の主が切り盛りするその店の、その名を盤古庵という。(序文)comment(0)