ジョバンニごっこ(仮)(頂物)
望月ユウさまに頂きました!
というか載せちゃいました!←
あ、ありがとうございます!





ツイッターでノリと勢いで始まったこの企画、その名もジョバンニごっこ!(仮)
急募:企画名←
あみだくじで選んだ自分のキャラ二人の台詞をそれぞれ2,3個指定して、お互いに小説を書くという企画です!
望月の暴走によって、渡良瀬くんとシキくんのキャラ崩壊が激しいです。
杏さま、すみません……!

※この小説は『はいいろ。』の杏さまの『Sword echo』の登場人物、渡良瀬くんとシキくんをお借りしています。

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ギイヤアアアアアア!というこの世の終わりのような叫びが響き渡った。
叫び声の近くにいた渡良瀬は首を傾げながらも、走って声の聞こえた方へ走った。

「どうしたシキ!!」

「やっつけてやる!泣け!叫べ!」

そこには、バシンッ! バシンッ!と丸めた新聞紙を地面に叩きつけているシキの姿があった。

「……ゴキブリ?」

ぽつりと呟く渡良瀬に気がつかないようでシキはまだ黒光りする虫との戦いを止めようとしない。
しばらく珍しい戦闘風景をほのぼのと見ていた渡良瀬が 「あ、」と呟いた。
シキの懇親の一撃がとうとう奴に当たろうとしていた。

だがしかし敵もなかなか手強く、ひらりと間一髪攻撃を避け、その勢いでバッと羽根を広げてシキの顔めがけて飛びかかった。

ぺたり。

バッタン!!

顔に呪いの装備を付け、シキは垂直に床に倒れてしまった。
一瞬フリーズした後に、はっと意識を取り戻した渡良瀬は素手でその装備を無理矢理引っぺがし捨てた。

「シキ!大丈夫か?! 今すぐにシキを……いや他の医療班呼んでくるからな!!」

ダッ!と渡良瀬が走りだすと後ろから「きみは、誰だい?」という抑揚のない声が聞こえた。
その声に振り返ると虚ろな目のシキがふらりと立ち上 がってこちらをじっと見ていた。

「(まさか記憶喪失……!)」

様々なショックによってこうなってしまったなら、更にショックを与えれば戻るのではと瞬時に彼は考えた。
しかしその結果悪化してしまう可能性も捨てきれないと考え、自分の近くに落ちている黒い残骸は見せないように心に決めた。

「何か、隠しているのかな」

「はっ、見るなよ。 絶対見るなよ?!」

「そう言われると見たくなるよね……うっ、うわああああああああああああ!!」

頭を抱えてしゃがみこんだシキに駆け寄り「大丈夫、大丈夫だからしっかりしろ!」と声をかけるがガクガクと震えて叫ぶばかり。
叫ぶのが止むと、両方の目からぽろぽろと大粒の涙を流 しながら「ごめんなさいごめんなさい」と繰り返し始めた。
どうしていいかわからず、渡良瀬はただ静かうずくまるシキの頭をなで続けた。


泣き疲れて寝てしまったシキが目を覚ますといつも通りの彼に戻っていた。

「あの、僕は今まで何を……」

「……あれはお前じゃなかったよ。 いくら呼びかけても、何も伝わらなかった」

えっ?ときょとんとした目をするシキの肩に手をポンッと置き、「大丈夫、俺は泣き叫ぶシキなんてこれっぽっちも見てないからさ!」といい笑顔で言って渡良瀬はその場を去っていった。

「泣き、叫ぶ……?!」

そしてその後、片付けられていなかった忌々しい宿敵の残骸を見てシキが再び発狂するのはまた別のお話。

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