通り抜けノブ



壁を通り抜けることが出来るノブを手に入れた。
壁にそのノブを付けて回すとドアのようにそこが開くのだ。
つまりお風呂でもトイレの個室でも入りたい放題。
ただ問題はお風呂やトイレの個室を通り抜けることが出来てもバレバレということだ。
あんまりエッチなことに使えそうにないから、俺は登校する道のりでバレない程度に使うことにした。
このビルさえなければ、大回りしなくていいのにな、っていつも思っていた通学途中にある大きなビル。
結構昔からあるビルで、上の階にはまだ事務所やテナントが入っているが、一階は誰も使っていないようだ。
ノブを使うにはもってこいな場所。
俺は近くに人がいないことを確認してからビルの外壁にノブを付けた。
そしてノブを回すと、壁だった部分が扉のように開いた。
「おー、すげー」
中に入って扉を閉めてノブを外す。
壁は元通りになった。
こんな簡単に不法侵入が出来るとは。
やっぱりエロ目的で使いたい気になってきた。

ま、使い方は今度考えるか。
俺はノブをポケットにしまって、ビルの中を見渡した。
そして向かい側にある扉が開いていて、そこから人がこっちを見ていることに気が付いた。
「うわっ」
思わず声を上げてしまう。
誰もいないと思ったけど、やっぱり誰か使っていたんだろうか?
俺はドキドキしながらも、その人物のことをじっと見た。
扉から覗いている人物は、ひょこっと扉の前に姿を現した。
そいつは背が低くて、学ランを着ていた。
なんとうちの学校の制服だった。
「隆康…?」
そいつは俺の名前を呼びながら近寄ってきた。
「お前…」
近くに来てやっと顔がわかった。
同じ学年の葉月だ。
顔は可愛いんだが、いつも眼帯をしてて、腕に包帯をぐるぐる巻いてる変な奴だ。
こいつには誰も近づかない。なぜなら皆、こいつが中二病丸出しの痛い奴だってことに気付いているからだ。
なんでこいつはこんなとこにいるんだ。
「隆康…君…、どうやってここに…」
妙に演技かかったしゃべり方で葉月が俺に話し掛けてくる。
「周りには結界を張ってあったんだ。入れるはずがない…」
「いや……、」
「もしや君も…此方側の人間なのか…?」
葉月は顔を紅潮させて、片方しか出ていない目をきらきらさせて俺を見る。
「そうなんだろ!君も選ばれし人間だ!じゃなきゃ壁を通り抜けるなんて出来るはずがない!」
あーーー…、しっかり見られていたみたいだ…。
めんどくさい。
「違うんだ、葉月。俺は通り抜けてなんて、」
ごまかそうとするが葉月は聞く耳を持たない。
「野暮なことを聞いてすまない。力のことは秘密だからな…かくいう僕も力のことは誰にも話していない…」
葉月は意味深に包帯ぐるぐる巻きの腕を掴みながらかっこつける。
「そもそも…この腕の能力は誰にも見せることは出来ない…。今はこの包帯で制御しているが、これを外して力を使えばこの世界がどうなるか…。同じ選ばれし人間の君にすら、危険にさらすかもしれない…」
「…………」
「ううっ!」
葉月がいきなり眼帯で隠れている目を抑えた。
「くっ…、少し喋りすぎたか…、瞳の中の支配者がご機嫌ななめだ…」
「………………」
なんだかイライラして、俺は葉月の頭にチョップした。
「いたっ」
そして意味のない眼帯を外す。
「あっ、だめっ!」
葉月の隠れていた目が俺を見る。
驚くことに色が違った。
見えていた目の色より隠れていた目は色がすごく薄かった。
カラコンかと思って俺は葉月の肩を掴んでめちゃくちゃ顔を近付けて見たがコンタクトは入っていない。本当の瞳の色だった。
「た、隆康…っち、近い…っ」
離れると葉月は真っ赤な顔をして照れる。
「誰にも見せたことないのに…」
葉月はそそくさと眼帯を拾ってまた目を隠す。
先天性か後天性かはわからないが、こいつはいわゆるオッドアイってやつだ。
これが葉月の中二病の原因っぽいな。
「…ごめん」
「あ…っ、謝って済む問題じゃない…。この瞳は、愛する者にしか見せてはいけないんだ…」
「は?」
いきなりロマンチックなことを言い出す葉月。もじもじしながら俺を見る。
「せ、責任を取れ…っ」
「責任ってなんだよ…」
葉月は言いにくいのか唇が震えている。
顔を真っ赤にしながら、俺に向かって勢いよく指を差した。
「僕と契約しろ!」


めんどくせーのに絡まれた。
契約ってなんだ?
と思っていたら契約とはつまり、セックスだった。
「あっ!あはっあんんっあんっ」
葉月は自分から下半身だけ脱いで白くてちっさい尻を俺に向けた。
こいつも結構スキモノらしい。
契約とか言いながら、ちんこが欲しいだけだ。
他にも契約とかぬかしてちんこをハメられているのか、それとも自分で弄ってるのか知らないが、葉月の穴は解さなくてもすぐちんこを受け入れた。
「あっあんっすごっすごいっ隆康の媒体っかたくてっ奥ごりごりっあぁんっ」
壁に手をついて尻を突き出している葉月。媒体ってなんだよちんこだろって感じだがきゅうきゅう締め付けてきてきもちいいからそこは流して突いてやる。
「あっあぁんっいいっあぁんっきもちいいっあぁっあぁんっあぁあんっ」
ぐちゅっぱちゅっぱちゅっぱちゅっぱちゅっぐちゅっぐぽっぐぽっぐぽっ!
「んひっんひっあぁんっ隆康っ隆康ぅっ!あぁんっふぁあんっ」
葉月は片手でちんこを弄りだす。
後ろから見てるだけでなかなかエロい。
「はっあっあぅ…っあぁっあぁ〜〜っ…っ、ら、めっ、あぁっ、良、すぎてぇ…っ!あぁんっらめっ立ってられないよぉ…っ!」
葉月の脚がガクガクしている。
関係なくがつがつ突くと、葉月はへなへなと下にしゃがみだした。
しょうがないから俺は葉月の体を後ろから抱き抱えて持ち上げた。
体が小さい葉月は軽くて駅弁でも全然楽だ。
俺はゆさゆさ葉月の体を揺さぶった。
葉月は驚きながらまた高い声を上げる。
「あぁっ!やんっやぁあんっこれっあぁんっ深っ深いよぉっ!あぁんっ奥っあぁんっごりゅってっ、ごりゅごりゅしてるよぉっ!あぁあんっ!」
葉月は身を捩りながら喘ぐ。
「あっあぁんっ!隆康っあぁんっしゅごいっイッちゃうっもぉ果てちゃうぅっ!隆康ったかやすぅっ!」
「イけよ、ほら」
突き上げるが、葉月は首を横に振る。
「らめっあんっ一緒にっ一緒じゃなきゃやらぁっ!あんっあぁんっ奥っ奥に隆康のっ力のっ源っあぁあんっ注いれっ!注入してぇえっ!」
せっかくのおねだりだが、こんな時でも中二病が出てて萎えそう。
だけどまぁ声が可愛いから許してやろう。
「じゃあもうちょっと我慢しろよ」
俺は葉月を床に下ろして、四つん這いにさせた。
さっきとは違って膝をついてるからまぁ大丈夫だろう。
俺は葉月の腰を掴んで、思いきりガツガツ掘った。
ぱんぱん音が鳴り響く。
「んひっんひっひぃんっ!あぁっあぁんっんやぁああ…っ!」
葉月は俺と一緒にイきたいがために、パンパンになってるちんこを両手で握って出さないように我慢している。
俺は意地悪して葉月の前立腺を狙ってちんこの先でぐりぐりする。
「ひぃんっあっあんっそこっらめっらめぇっあんっそこらめなのっ!チカチカしちゃっあっあんっあんっあっあっあっ!しょこっらめっぐりぐりらめぇえっ!我慢、で、きな…っ!おかひくなりゅ…っ!」
葉月は泣いて鼻水まで垂らしてるのかぐじゅぐじゅしながら俺に訴える。
どんな顔してるのか見たくなって俺はちんこを一瞬抜いて葉月を仰向けにさせた。
顔中汁だらけで快感に涙している葉月。潤んだ目で俺を訴えるが、俺は意地悪だからやっぱりまた前立腺を突く。
「んひぃい…っ!もぉっらめぇっあぁあああっ!しょこやめてぇえっ!イッちゃっイッちゃうっ!もぉむりらからぁあっ!たかやしゅったかやしゅぅ!早く中らしてよぉおっ!」
ぐりぐりぐりぐりっぐちゅぐちゅぐちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅっ!
「あっあっ…あぁ〜〜っ!もぉらめ…っイッちゃうぅぅ…っ!」
葉月は我慢の限界だったのか手を離してパンパンのちんこから精液を盛大に噴射させた。
俺もなんだかんだで同じタイミングで中に出してやった。
葉月は射精し終わったあとも体を痙攣させていた。

「はーっ…、はー…っ、たかやす…っ」
身なりを整えていると、葉月はゆっくりと体を起こした。
「隆康、僕と君はもう一心同体…。これからは二人でこの世界を救おう」
息を荒くしたまま葉月は俺に言う。
こいつこんなあとにもそんなバカみたいなこと言うのかよ。
冷ややかに見つめる俺の目に気づきもしないで、葉月は「うぅっ!」といきなり唸りながら心臓のあたりを手で押さえだす。
「くっ…!た、足りない…っ、まだ…、契約の証が…っ!」
「……………」
「た、隆康…っ、もう一度、僕の中に君の媒体を挿入し君の力を液体化したものを奥まで注いでくれ…っ!」
たちの悪いおねだりに呆れる。
「…葉月、俺、遅刻するから」
俺はノブをポケットから取り出して壁にくっつけた。
急いでドアを開けて通り抜ける。
「あぁ…っ隆康っ、君は本物だ…っ!」
ドアが閉まる瞬間に聞こえたきた葉月の言葉に、ぞっとしながら俺はドアを閉めた。
「…やれやれ」
めんどくさい奴と関わってしまった。

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