気になるあの子B


「明野って、こっちの経験もあるの…?」
俺が聞くと明野は顔をちょっと赤くした。
「あるけど…」
「あるんだ…」
複雑な気持ち。
「い、言っとくけどべつにちょっとしか使ったことないから…!勘違いしないでよ。俺だって本当は上がいいし…」
明野はこの時だけなぜかよく喋った。
しかし確かに、男同士は入れる側と入れられる側がいる。
俺はどうしても掘られたくはなかった。
もともと女相手しかしてなかったし、そこは無意識に明野のことを抱くイメージしかしていなかった。
「わ、悪いけど明野…俺明野に抱かれるより抱きたい方なんだけど…」
「…こっちはあんたのこと抱きたいなんて思ってないよ」
明野はそう言った。
「じゃあ俺に抱かれたいってこと?」
「そんな言い方してない」
明野は不機嫌そうに言うが、これは遠回しに入れてもいいってことだと俺は受け取った。
明野は素直じゃないんだ。
俺はドキドキしながら明野の尻穴に舌を這わした。
「んぁっ!」
明野が初めて声を上げる。しかしこれは喘ぎと言うよりは驚いた感じだった。
案の定明野は少し身を起こして舐め続ける俺の髪を掴んだ。
「ちょ、そんなとこ舐めなくていい…っ!」
「だって慣らさないと入んねーよ?」
「ろ、ローションとかないわけ…っ?」
「あるけど…」
じゃあそっち使いないよ、明野は抵抗しながらそう言ったけど俺は無視した。
ここまで出来なきゃ、俺の気持ちを認めてくれない気がした。
俺は尻穴をべろべろ舐めてから中に舌の先を突っ込んだ。
「ぁう…ぅ」
明野が声を出す。
あの明野が悶えてると思うだけでやばい。もっと乱れたらいいのに。俺は尻穴を舌でほじくりながら、グジュグジュのちんこにも手を伸ばした。
「あっんんっ、ちょ、ちょっと…っ」
明野が嫌がる。
でもやっぱりちんこは気持ちいいみたいで、尻穴がヒクヒク動いた。
しばらく舌をくぽくぽと出し入れした。
でも舌じゃ限界があって、疲れてくるし、俺は今度は指を入れてみた。
この辺はなんだか女としているみたいだった。
だけど女よりも全然興奮する。
明野の穴に、俺の指はすーっと入っていった。男は本当に尻穴を使うんだ。
この瞬間やっと実感が湧いた。
「は、あ、あ、…っ、ん、んん…」
何回も何回も出し入れして、指を増やす。二本で中を拡げて、三本目行こうか、と思ったけど、俺もそろそろ限界だった。
こんないやらしい明野を見て、俺が我慢出来るわけがない。
一回抜いてもらったとは言え、俺のちんこもまたビンビンになっている。
俺は指を抜いて、明野の尻穴にちんこを擦り付けた。
明野がびくっと大袈裟に反応した。
俺の顔をじっと見る。
「入れていい?」
「…っ、ちゃんと上手くしてよ」
明野は冷たくそう言ったが顔は赤かった。お互いドキドキしてるなって思った。
俺は初の尻穴に、ちんこを捩じ込んだ。
「はぁ……っ」
慣らしたおかげか、ちんこはゆっくりと中へ入っていく。エロい。本当にこんなところにちんこ入っていくんだ…。
「きっつ……!」
明野の尻穴は、結構すんなりと俺のを飲み込んだが、中はきゅうきゅうで、動く前から気持ち良かった。
「これ、やば…っ」
俺は明野の長い脚を掴んで、早速腰を振った。
「あっあっあっ!」
明野が声を上げる。さっきまでとは格段に違う色があった。
もっと聞きたい。俺は一心不乱に腰を振った。
グチュッヌポッズポッグチュグチュパチュッパチュッパンパンッヌプッヌププッグチュッグチュッ
「あっあっあんっあぁっはぁんっあぁんっ」
明野のきれいな顔は、蕩けそうだった。
赤くして眉を寄せて、普段の冷たい表情からは想像できないくらい色っぽくて可愛い。
「明野…っ明野…っ」
俺は体を倒して明野にキスをした。明野は答えてくれる。
俺の首に腕を回してくれた。ドキッとする。
「あっあっあんっそこっあんっそんなに突いたら…っ、だめ…っ!」
耳元で言われてゾクゾクした。めっちゃ可愛い。
「ここがいいの?」
いわゆる前立腺ってところだろうか。俺はそこをちんこの先でぐりぐりしたり、出し入れして勢いをつけながら突いたりした。
「っひぁっ!あっ!あっ!そこっそこだめっあんっやんっあぁんっ」
俺は明野の腕から離れて身を起こした。明野の顔をじっと見る。
明野はそれに気付いてまた顔を赤くした。
「やっ見ないで…っ変態…!あっあんっ」
変態、なんて言われたけど逆に興奮した。
腰を振る度に揺れる明野のちんこ。
我慢汁があちこちに飛び散るくらい溢れているいやらしいちんこを、俺は握って擦り上げた。明野が目を見開く。
「ひぁあっあぁーーっ!やだっ擦っちゃ…っあんっあぁあっ!」
明野が体を反らす。
ビクビクしていた。
「やめっ、そんなしたら…っ出ちゃっ出ちゃう…っ!ひぁあっ!」
ビュルビュッビューーッ
明野は勢いよく射精した。
中がきゅうっと締め付けられた。
「明野…!は、ん、イく…っ!」
俺もその締め付けに我慢が出来なくなった。俺は急いで明野の中からちんこを抜いた。手で数回擦ると、精液が飛び出て明野の尻にどろっとかかった。
「は、…っ、あ…っ」
明野は顔を火照らせて乱れた息を整えようとしていた。明野をじっと見ると、明野も俺を見る。
「…………」
今更、これって夢じゃないのかなって思った。
あんなに距離をおかれた明野とエッチするなんて。つい昨日、いやさっきまで俺は明野のことについて悩んでいた。なのに。こんなことになるなんて。
「明野、俺のことどう思ってる…?」
静かにあちこちに付いた精液を拭いている明野に俺は尋ねた。
明野は拭いている手を止めた。
そして俺じゃないどこかを見た。
「こんなことしといてなんだけど、…まだなんとも言えない」
「……」
「俺はあんたのこと、まだ、なんにも知らないから」
「…そっか…」
俺は明野から視線をそらした。
当然の返事だった。
明野が俺のことを好きなんて有り得ないんだから。
「ごめん」
明野に謝って、俺もティッシュに手を伸ばした。
「……もうちょっと、」
沈黙になってすぐ、明野はまた口を開いた。
俺は顔を上げる。明野は俺を見ていた。
「もうちょっと、あんたを、知ってから、決める…」
「え…」
ずっと見ていると明野はみるみるうちに顔を赤くして、最終的にふいっと目をそらしてしまった。
俺はそれが可愛くて可愛くて、俺まで赤くなってしまった。
俺は明野に近付いた。
「じゃ、じゃあとりあえず仲良くしてくれるってこと?」
俺の質問に明野は少し間をあけて頷いた。
俺は嬉しくてにやけてしまった。
「そ、それじゃ、俺のこと、あんたじゃなくて、名前で呼んでくれる…?」
「え」
明野が俺の興奮に少し驚いている。
「てか、俺の名前知ってる?」
「知らない」
ガーーーーーーン。
まさかの返答に俺は落ち込んだ。
え、名前知らない相手とエッチしたわけ?ビッチ?
傷ついて固まってると、明野は苦笑した。
「嘘だよ…恭二でしょ」
明野が俺の名前を呼んでくれたから、俺は内心かなりほっとした。二、三回頷くと明野もちょっと笑った。
俺はまたちょっと調子に乗る。
「お、俺も明野のこと名前で呼んでいい?」
「べつに…」
明野はそう返事をしてくれた。
素直じゃないけどいいってことだ。
俺は明野の手を握った。
そして長い睫毛がかかる目をじっと見た。
「これから、よろしく、満…っ」
「………よろしく」


それから俺と満は友達として遊びお互いを知り、二ヶ月後、晴れて恋人として付き合うことになった。
満は基本的にはクールな奴だが、意外と表情が豊かだったりして、赤い顔も可愛いけど笑顔とかも可愛かったりする。
とにかく満はいろんな顔を俺に見せてくれるから、俺はすごく嬉しい。

しかし問題は。
「なぁ、それ誰なの?」
満がいつも眺めている写メである。
付き合うようになってからも、満は時々あの写メを見る。
過去を詮索するのはあんまり好きじゃないけど、あまりにも眺めるもんだから、これくらい聞いてもいいだろうと俺は思いきった。
満は言葉を濁したけど、俺が諦めないので観念して言った。
「前好きだった人…」
薄々気づいたいたが改めて言われるとやっぱ衝撃が走る。
しかし俺は冷静を装った。所詮それは前の話だ。
「す、すげーイケメンだな。笑顔とか眩しいし、まぁこりゃ誰だって惚れるわ」
あはは、とか笑ってみるが本心がちょっと隠せなくて、俺はつい「この人が初体験?」とか冗談っぽい言い方で聞いてしまった。
満はいや、と否定する。
あ、良かったって思った途端に、写メを指差した。
「それは、こっち…」
まさかの一緒に写ってる冴えない男を差している。
「えっ」
驚いて満を見る。思い出したのかうっすら頬を染めている。おいおいおいおいおい。マジか。
「付き合ってたの?」
俺の心は取り乱し始めた。満は首を横に振る。えーーーーー?付き合ってないの?え?なんなの?
「その人はそっちの美人さんと付き合ってる」
「………………えぇ……?」


ずっと気になって遠くから見つめていた満。
付き合うことにはなったけど、俺はまだ満の知らないことがいっぱいある。
俺はきっとしばらく、満のことを気になり続けるに違いない。


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