新穂


朝、出勤者が全員準備をしている中、性欲処理課に一本の電話が鳴った。
久遠が煙草をくわえながら出る。
眉間に皺が寄っているのはいつものことなので、誰も気に止めなかった。
「あっあっ雪村さんっそこっいいっもっとぉ…っ!」
「お前なぁ、気持ちよくなるためにやってんじゃないんだぞ」
雪村にアナルの準備を手伝ってもらっている新穂の傍に、電話を終えた久遠が近付いた。
「新穂、今すぐ社長室へ行け」
「え……?」
久遠の言葉に全員が新穂に目を向ける。
「呼び出しだ」
「なっ…なんだろ……っ」
新穂は悪い意味でドキドキした。
ほとんど処理課が関わることのない社長からの呼び出しとは一体なんなのか。
「ま、まさか…俺っ人気ないから…社長直々に…クビ…とか…っ」
新穂の発言に皆が顔を青くした。
「ふぇ…かちょぉ…っ!」
「新穂…っ!」
涙目になる新穂を久遠は抱き締めた。
「くそっ!あのオヤジ許せん!!」
「…早く行った方がいいんじゃないですか」
盛り上がっている二人に雪村は突っ込んだ。



「うぅ…なんだろ…」
新穂はうじうじしながらエレベーターに乗り社長室のある最上階まで向かっていた。
雪村に手伝ってもらいアナルをあんなにトロトロにしたにも関わらず、社長に会うからと言って新穂はスーツに着替えさせられた。
下着の向こうのアナルを弄りたくても弄れない格好に、むずむずしていた。こんなに処理課向きな体なのにクビになってしまったら、あとはもうそういうお店に行くしかないのか。
新穂は悩みながら最上階に降りた。
社長室の前まで来ると、扉の近くにあるインターホンを押した。
「性欲処理課の新穂敦です…」
返事の代わりに、鍵がガチャリと開く音がした。
恐る恐るドアノブを掴み中へ入る新穂。
新穂は社長室など入ったことがない。失礼致しますという声が震えていた。
いい匂いがした。
正面奥に社長のデスクがあった。
大きな椅子が後ろの大きな窓の方を向いているが、誰かが座っているのがわかる。
新穂は心臓をバクバクさせながら近寄った。
「お呼びでしょうか…」
「お呼びです」
くるっ椅子が回転した。
「え…っ」
「やぁ、新穂くん。お久しぶり」
新穂は驚いた。座っていたのは社長ではなく、以前非常階段で処理をした青年だったのだ。
「な、なんで…っ!?」
この青年が社長だった、ということではない。新穂は社長の顔を入社式で見ている。彼のように爽やかな男だったが年齢がまったく違うのだ。間違うはずがない。
「今日は父が休みでね」
「父…?」
はてなマークを浮かべる新穂に社長のデスクの上にある名札を指差す。
「…え、じゃあ…じゃああなたは…っ」
社長のご子息、と呟いた新穂に青年は笑顔を向ける。
「父の仕事の手伝いをしててね、たまにここには出入りしてるんだ」
「そ、そうなんですか…」
どぎまぎしている新穂を見て、青年はくすっと笑って椅子から立ち上がった。
「緊張してるね。しかもスーツだし…いつものエッチな格好じゃないんだ」
青年の言葉に新穂は顔を赤くする。
青年は新穂から離れて、隣の部屋の扉を開けた。
「ちなみにこっちは仮眠室なんだけど」
中を一瞥してから青年は新穂を見る。
新穂の胸が高鳴った。
「どうですか?」
青年の笑顔に、新穂は疼いた。



「あっあぁっんっんぁっぁんん…っ」
社長の仮眠室のベッドは他の社員の仮眠室とは比べ物にならないほど立派なベッドだった。
新穂は高級ホテルに来たような感覚がした。
そんな高そうなベッドの上でアナルを弄られ、新穂は早くも我慢汁を垂らしてシーツを汚した。
「ぁんっあぁんっあんっはぁっんんっ」
「すっごくエロい。もう指が三本も入ってるよ」
青年はそう言いながら新穂の耳を舐める。
「ぁひっあんっはぁっんんっぁあんっで、も…っ良かった、ですっ…」
「なにが?」
「俺…っあぁんっクビになる、かと…っあひぃっんぁあっ思ってぇ…っ!」
快感に震えている新穂に、青年はキスをする。
「君みたいな可愛くてエッチな子、クビになんてしないよ」
「あっあぁんっあんっほ、ほんとに…?はぁっ俺ぇっちんぽでいじめてもらうのっ好きだから…っぁうっあんっ辞めたくないれす…っ」
「君がもし辞めたくたって、辞めさせないよ」
青年はそう言って新穂のアナルから指を抜いた。抜けた感覚にも新穂は声を漏らして感じた。
青年が脱いでぺニスを露にする。
そそり立った青年のぺニスを見ただけで、新穂のぺニスから我慢汁が溢れた。
青年が寝転んで脚を広げる新穂に覆い被さる。
「入れるよ、」
ヒクついているアナルにぺニスの先を当てる。
新穂はそれを見て焦って声をかけた。
「まっ、待って…」
まさか新穂が嫌がるわけがないので、青年は不思議そうに新穂を見た。
新穂は真っ赤な顔で息を乱し、潤んだ瞳で青年を見上げた。
「名前…っ教えてください…っ」
何事かと思った青年は、新穂の言葉に優しく笑った。
「司だよ」
「つか、さ…さん」
青年、司は新穂の額にキスを落として、ゆっくりと挿入した。
「あぁあっ!あんっあっおっきぃ…っ!」
「すごい締め付け」
きつさを感じながら司はずんと腰を進めた。根本まで入ると新穂はまたきゅんきゅん締め付けて離そうとしない。
「はぁ…っ、こんなきつかったっけ?」
にゅぽにゅぽとゆっくり腰を動かす司。
「あっあっ司さん…っあぁんっちんぽ嬉しいよぉ…っ!」
新穂は司の首に腕を回した。
ふと目が合うと司は笑って新穂にキスをする。
唇の柔らかさを確認するように重ね、舌を絡め顎を伝う唾液を吸う。
司の一つ一つの動きに、新穂は胸を高鳴らせた。
「ん、ふぅ…っあっ、あぁっ司さんっあっあっあぁんっ」
グチュッヌポッグチュッニュポッジュポッヌポッジュポッ
「新穂くん、可愛い」
司の手が新穂のシャツの中に潜り込み、乳首をつねる。
「あひぃっ」
新穂がびくんっと体を反らせた。
「あっあっおっぱい…っ気持ちいっあぁんっ」
「何しても感じちゃうんだね」
司が耳を舐める。新穂は目がチカチカした。
「だ、め…っ全部いいですっチューもっ、おっぱいもちんぽもっあぁんっケツマンコもっんっんぁあっ全部っぁんっ全部気持ちいぃ…っ!」
新穂は司の体に脚を絡ませた。
「本当、エッチな子」
「ふぁあっ司さぁんっ」
「可愛すぎて余裕なくなっちゃうな」
司はそう言って激しく中を突いた。
いやらしい音が部屋の中を支配する。
「あぁっあっんんっやんっそんなっしたらぁ…っ!あぁんっもっイッちゃ…っ!あぁんっやんっやぁんっ」
パンパンパンッパチュッグチュッパチュンパンッパンッパンッ
「…っ、出そう…!」
司が荒く息を吐きながら言う。
中出しされる、と思った途端新穂はきゅんきゅん締め付けた。
「そんな、締めたら…っ!」
「あっ司さんっ俺もイッちゃうっあっあっあぁんっ司さんあぁっ司さぁんっ!」
「…くっ、」
二人は同時に射精した。
ドクドクと中に注がれた精液の熱さに、新穂はドキドキと胸を鳴らしていた。
息を整えてからぺニスを抜く司。
新穂の腹に飛び散った精液を、舌で舐めとった。
「ひぁっぁっ」
それだけで感じてしまう新穂。
さっきまで掻き回されていたアナルがまたひくひくして司を誘った。
「司さん…っもっとぉ…もっとちんぽでめちゃくちゃにしてぇ…っ」
司は微笑んだ。
「勃たせてくれる?」
司の言葉に新穂はこくりと頷いて起き上がると、膝立ちになり兜合わせをした。
くちゅくちゅと音が鳴る。
新穂は自分のぺニスと司のぺニスがいやらしくくっついて擦られている光景を見て頭がくらくらした。
司は頑張っている新穂にキスをしていく。
「ん……っ、ふぁ……っ、ぁ…んん」
唇、顎、首筋、鎖骨、胸、乳首を一つ一つ丁寧に時間をかけて司のキスが落とされる。その間に司のぺニスがどんどん熱くかたくなっていくので、新穂は内心喜んだ。
「ね、司さん…っ勃ちましたよ…っ!早く、早くちんぽください…!」
「自分で挿入してごらん」
おねだりする新穂に司は笑顔を向けて寝転んだ。
新穂は勃起している司のぺニスを見て唾を飲んだ。
ドキドキしながら司を跨ぎ、アナルにぺニスを当てがった。
「あっあうぅ…っ!」
ゆっくり腰を落とすと、司のぺニスがだんだん埋まっていく。
はぁはぁと息を荒くしながら、新穂は根本までくわえこんだ。
「あっ…司さん…、入ったぁ…」
「自分で動いてみて」
司は両手を伸ばして新穂の手を繋いだ。
新穂もぎゅっと握り返して、上下に腰を動かした。
「あっ…あっ、あっ、あっ」
にゅぷっと抜けてじゅぷっと入っていく感覚に新穂は震えた。
「奥までくるよぉ…っ!あっあんっあんっ」
新穂の腰がだんだん早くなる。
「あっあひっあんっあんっこれっこれいいよぉっ!あんっあぁん」
パンッパンッパンッパンッパンッ
グチュッグチョッヌヂュッパチュッ
「あっあんっやらっ腰止まらない…っあっあっあぁんっ」
「新穂くん…っ」
「あはっあはっあはっらめぇっあぁあんっ」
「きっつ…」
「あひぃっあっあっんぁあっはぁあんっ」
新穂の体が汗ばむ。
繋がっている手、アナルを押し広げてくる熱いぺニス、自分を見つめる司の目、色っぽい息遣い、全てが新穂を痺れさせた。
「あっあっ司しゃんっあんっもっあぅんっちんぽおいひい…っ!俺っもぉらめぇえっ!またイッひゃう…!良しゅぎるよぉおっ!」
新穂はびくんびくんと跳ねながら射精した。ビュルルッと精液は勢いよく飛んで、司の顔にもかかった。
「あっごめんなひゃ…っあんんっ」
新穂は体を倒して、司の顔にかかった精液を舐めとった。
司もその体勢のまま射精する。
「あっあひぃんっ熱いのいっぱいぃ…っひぁあんっ」
いっぱいになったアナルからこぽっと精液が溢れ出た。
「司さん…俺のケツマンコいっぱい使ってください…俺、司さんのために頑張ります…」
顔を真っ赤にして言った新穂に、司はキスをした。
「帰さないよ?」
司の言葉に新穂はまたドキドキした。




「にいほぉっ!!!」
結局処理課に戻ったのはその日の夕方だった。戻るなり新穂は久遠に抱き締められた。
「大丈夫だったか?変なことされなかったか?ぶん殴ってこようか?」
心配しまくっている久遠が新穂の顔を覗く。
新穂は今日一日のことを振り返って顔を赤くした。
「課長…」
「なんだ?それともぶちのめすか?」
「俺…っあんなにちんぽハメてもらったの…っ初めてです…っ」
「……ん?」
「幸せ…」
目をハートにさせた新穂は遠くを見つめた。
そしてふらふらっと歩いてシャワー室に消えていった。
久遠をはじめ処理課の者全員がよくわからなかったが、新穂の幸せそうな顔を見てもう何もつっこめないのであった。


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