ASB3位:青樹和宏


「タ、タオル、使ってください」
「すまない」
吉川はどぎまぎしながらびしょ濡れの青樹にタオルを渡した。
青樹は目を伏せながら顔を拭く。
そんな青樹を見て吉川は唾を飲んだ。
休みでたまたま買い物に出ていたところ、雨の中傘を差さずに歩いている青樹を見つけ雨宿り代わりに自宅へ招いたのだ。
こんなことってあるのだろうか。吉川の心臓はバクバクとうるさく鳴っていた。
「か、傘…持ってなかったんですか。今日の夕方から明後日までずっと雨が続くらしいですよ」
「そうなのか」
青樹はスーツを脱ぎネクタイを外す。
吉川はそれを受け取って乾かすためハンガーに掛けた。
「………っ」
振り返ると濡れたワイシャツが肌に張り付いている青樹の姿が目に映る。吉川の頭はくらくらした。想いを寄せている相手が自宅にいるだけでもたまらないのに。
吉川は我慢できす青樹に迫っていった。壁に追いやってキスをするとさすがの青樹も驚いた様子を見せる。
「…おい」
「す、すいません…でも、」
吉川はガチャガチャと青樹のベルトを外し、スラックスと下着を脱がしていつもと同じ格好をさせた。といっても仕事用のワイシャツよりも短いため、青樹のペニスも茶色い毛が少しだけ見えている。それを見てさらに興奮が高まった吉川は青樹のアナルへ指を伸ばす。
仕事帰りのせいか、アナルは充分にほぐれている。
「い、入れたいです…」
「………」
「だ、駄目ですか…?」
吉川は青樹の肩に顔を埋めながら訊く。吉川のペニスは張り詰めていた。
「勤務外だからな…」
処理課は会社から一歩外へ出ると処理は行わない。それは皆が知っている。青樹の言葉は当然で、しかし吉川はあからさまにがっかりした。
「…ですよね」
悲しそうな声を出して未だ肩に顔を埋めている吉川に、青樹は目だけを向けた。
「…でも、今日だけ…お礼をしよう」
「え」
驚いて顔を上げる吉川。
「サービス」
自分を見る青樹の瞳は、碧かった。



「あっあっあんっんんっ!あぁんっ」
「青樹さん…っ」
壁に手をついた青樹を、吉川は後ろから突き上げた。
吉川が青樹のワイシャツを捲り背中にキスをする。青樹は雨で濡れた冷たい体に吉川の唇が触れる度に熱さを感じた。
「はぁ…っあぁんっんっあっあっ」
パチュンッヌチュッグチュッパチュンッ
「あぁん、んん…っはぁっ熱…っあぁん」
壁に爪を立てる青樹。冷えた自分自身に吉川は熱すぎると感じた。
後ろから漏れる吉川の声や息遣いは、とても気持ち良さそうだった。
「あっあっあっあんっあっやぁんっ」
グチュッヌヂュッグリッグリッグチュウッ
「も、おちんちん…っあぁんっそんなしたら…っ」
「青樹さん…!」
青樹の言葉に吉川は興奮した。前に自分が言ったくだらないおねだりを、今もちゃんとしてくれていることに。
「あ、あっ、俺、俺イッちゃいます…っ」
堪らず吉川は青樹を後ろからがっちり抱き締め射精した。
「あっあぁんっあんんっー!」
中へドクドク注がれながら、青樹も壁に向かって射精した。
温かい息が青樹の背中にかかる。
「…好きです…やっぱり、考えちゃいます」
青樹は自分の体に巻き付いている手を握った。
「…お前って、やっぱ、変わってるな」


外はまだ、雨が降り続いていた。


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