バレンタイン瀬戸と宇佐美の場合


バレンタイン前日、俺はウサにチョコレートをくれとお願いした。
もちろんウサは断ってきたので、強行手段に出た。

パチュンパチュンパチュンパチュンッ
「あっあっあっだめっ奥だめっやぁんっやめ…っもっ変になるからぁ…っ！」
「やめたらチョコレートくれる？」
「あっあっあげるっチョコっあげりゅからぁあっグリグリしないれ…っ」
「手作りでくれる？」
「あっうんっあっあっ手作りのっあっチョコにっするからぁっ」
パチュンパチュンパチュンパチュンッ
「ひぁあっイくっイくぅうーっ！」


ということがあったので、ウサは約束通りチョコレートをくれた。
手作り？って聞いたらウサは頷いた。ウサから手作りチョコレート！
俺はウキウキで家に帰って袋を開けた。
「………………」
手作りチョコレートのキットだった。


俺はそのキットでチョコレートを作って食べた。
涙の味がした。

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