2




その声に驚き、春輝は顔をあげ教室の扉を見ると夏希を見付け、目を見開くと声をかけた。

「あれ?松下、何しとん?」
「んー、今帰りー。って矢野の方こそ何してんの?」

そう話しながら、教室に入り適当な席に着く。そして机に頬杖を付きながら春輝の行動を目で追う。その視線を背中に感じながら、夏希の方を見ていう。

「見たらわかるやろー?書類作りー。担任にも友達にも見捨てられた矢野くんですー。」
「あらあら、可哀想に。」
「絶対思ってないやん。泣くぞ、俺泣くぞ。」
「え、泣いて泣いて。」
「いやや。」
「なにもうー。」

そういいながら席を立つと、書類をまとめ始める夏希。そんな夏希につられ春輝も手を進める。

「優しいやん。」
「私元々優しいけど?」

満足そうな顔をしながら手を進める夏希に、春輝も自然と笑顔になる。そして夏希に話しかける。

「な、この後、どっか行こうや。・・・あ、まぁ、門限ないならやけど。」

後頭部をおさえると、夏希がその様子を見て、笑いながら答える。

「ん、一人で住んでるし、門限とかないよ。」
「あ、そうなん?どこ住んでんの?」
「あのね、ここから上り方面に20分かからないくらいのこの学校のマンション。」

春輝が少し黙って考え、首を傾げてから口に出す。

「あれ、もしかして、第二棟?」

夏希は春輝の顔を凝視したまま少し黙っている。耐えきれずに春輝が声をあげる。

「いや、あれやろ?Cマンション。」
「あー!そう、それ。第二棟って言ってる人見たことあった。てゆーか矢野はどこ住んでるの?」
「一緒やで。俺もCマンション。」
「じゃあ、あれだ。同じとこに帰ってるんだね。知らなかった。」
「な、俺も知らんかったー。」

そして春輝は突然夏希の顔を覗く、夏希はその行動に驚き、自然と瞬きが多くなる。そんな夏希を知ってか知らずか、笑顔でいう。




[ 4/8 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -