12
「おはよー」
「おいおい、エリナまた目ヤニ付いてんぞ?」
「え!?どこ!?」
うそだよ、と憎たらしく笑うサッチを睨む。
前回の寄港から、一ヶ月弱が経とうとしていた。
一ヶ月後には次の島に寄ることを見越して、少ない仕入れで島を経ったため、食材が尽きてきて朝ごはんが若干質素になっているのが分かる。
キョロキョロ辺りを見回してマルコを探すと、あの金髪パイナップルがひょっこり向こうの方に見える。
「サッチ!あっち!」
「はいはい、これ洗ったら行くよ。」
じゃあ先行くね!と声をかけて、私はパイナップルのヘタを目指した。
ヘタ?
あれはパイナップルのヘタでいいのかな。
まぁいいや。
「マ……」
マルコ!と声をかけようとして、彼の正面に私服のナースが座ってるのが見え、口を噤んだ。
マルコのよそ行きの笑顔と、ナースの綺麗な笑い声。
後ろ姿でも分かる、スタイルの良さ。
恐らく非番で私服なんだろう。
私とは大違いの女性らしさに、何となくまごついてしまう。
「お、エリナおはよう。」
「おはよ、ジョズ、ビスタ。」
「おはよう。」
ジョズとビスタのいるテーブルにお邪魔した。
でもしっかり、マルコとナースが見える席をキープ。
ミラだ。
私にワンピースをくれたナース。
私とは仲が良い。
でもマルコとは……そんな2人で話すような仲だったかな。
別に悪いことしてるわけじゃないし、誰が誰と話したっていいんだけど。
なんだか凄くモヤモヤする。
「エリナどうした?いつもはマルコのとこ……あ。」
あ、ってなんだジョズ!
あ、って!!!
「珍しいな、マルコがミラと話してるなんて。」
「知らない。いいからご飯食べようよ。」
「おい、なんだ?エリナ怒ってるのか?」
そう言われて、なんだかイライラしてる自分に気付いた。
「マルコ取られて拗ねてるのか?」
「ち、違うもん!」
もん!って……とビスタが小さく言うのなんて聞こえない。
多分、図星だ。
なんだか自分の居場所が取られたような、しかもいつもマルコとそんなに話してるのも見ないミラが相手だし、しかもしかも、
「いいなあ……」
「え?」
「ミラって綺麗。」
ミラだけじゃない。
オヤジ付きのナースは、皆綺麗だ。
スタイルだっていいし、オフの日はオシャレして、化粧も髪の毛のセットも上手。
いい匂いまでして、私なんてちんちくりんって感じが凄くする。
「エリナも可愛いぞ。」
「ジョズ好きー。」
ぶっきらぼうなジョズだが、見た目と違って優しい。
戦闘の時は、あんまり強くない私の盾になってくれる。
ビスタが何やらニヤニヤして、私の頭を撫でる。
いや、彼のニヤニヤ顔はいつもか。
「エリナももう子供じゃないんだなあ。」
「なあに?どういうこと?」
「まあそのうちわかるさ。」
飯にしよう、とビスタ。
その日の朝ごはんで、マルコがこっちを向いてくれることはなかった。
後からサッチまで合流して、三人で話し込んでいた。
私もちらちら見るだけで、声をかけにいく勇気もなかった。
久しぶりにジョズとビスタとゆっくり話せたことで、もやもやした気持ちは軽くなったけれど。
朝ごはんが終わる頃に、「じゃあよろしくね。」とミラが言って席を立ち、マルコが頷くのが見えた。
ねぇねぇ、何の話してたの?
「おいおい、エリナまた目ヤニ付いてんぞ?」
「え!?どこ!?」
うそだよ、と憎たらしく笑うサッチを睨む。
前回の寄港から、一ヶ月弱が経とうとしていた。
一ヶ月後には次の島に寄ることを見越して、少ない仕入れで島を経ったため、食材が尽きてきて朝ごはんが若干質素になっているのが分かる。
キョロキョロ辺りを見回してマルコを探すと、あの金髪パイナップルがひょっこり向こうの方に見える。
「サッチ!あっち!」
「はいはい、これ洗ったら行くよ。」
じゃあ先行くね!と声をかけて、私はパイナップルのヘタを目指した。
ヘタ?
あれはパイナップルのヘタでいいのかな。
まぁいいや。
「マ……」
マルコ!と声をかけようとして、彼の正面に私服のナースが座ってるのが見え、口を噤んだ。
マルコのよそ行きの笑顔と、ナースの綺麗な笑い声。
後ろ姿でも分かる、スタイルの良さ。
恐らく非番で私服なんだろう。
私とは大違いの女性らしさに、何となくまごついてしまう。
「お、エリナおはよう。」
「おはよ、ジョズ、ビスタ。」
「おはよう。」
ジョズとビスタのいるテーブルにお邪魔した。
でもしっかり、マルコとナースが見える席をキープ。
ミラだ。
私にワンピースをくれたナース。
私とは仲が良い。
でもマルコとは……そんな2人で話すような仲だったかな。
別に悪いことしてるわけじゃないし、誰が誰と話したっていいんだけど。
なんだか凄くモヤモヤする。
「エリナどうした?いつもはマルコのとこ……あ。」
あ、ってなんだジョズ!
あ、って!!!
「珍しいな、マルコがミラと話してるなんて。」
「知らない。いいからご飯食べようよ。」
「おい、なんだ?エリナ怒ってるのか?」
そう言われて、なんだかイライラしてる自分に気付いた。
「マルコ取られて拗ねてるのか?」
「ち、違うもん!」
もん!って……とビスタが小さく言うのなんて聞こえない。
多分、図星だ。
なんだか自分の居場所が取られたような、しかもいつもマルコとそんなに話してるのも見ないミラが相手だし、しかもしかも、
「いいなあ……」
「え?」
「ミラって綺麗。」
ミラだけじゃない。
オヤジ付きのナースは、皆綺麗だ。
スタイルだっていいし、オフの日はオシャレして、化粧も髪の毛のセットも上手。
いい匂いまでして、私なんてちんちくりんって感じが凄くする。
「エリナも可愛いぞ。」
「ジョズ好きー。」
ぶっきらぼうなジョズだが、見た目と違って優しい。
戦闘の時は、あんまり強くない私の盾になってくれる。
ビスタが何やらニヤニヤして、私の頭を撫でる。
いや、彼のニヤニヤ顔はいつもか。
「エリナももう子供じゃないんだなあ。」
「なあに?どういうこと?」
「まあそのうちわかるさ。」
飯にしよう、とビスタ。
その日の朝ごはんで、マルコがこっちを向いてくれることはなかった。
後からサッチまで合流して、三人で話し込んでいた。
私もちらちら見るだけで、声をかけにいく勇気もなかった。
久しぶりにジョズとビスタとゆっくり話せたことで、もやもやした気持ちは軽くなったけれど。
朝ごはんが終わる頃に、「じゃあよろしくね。」とミラが言って席を立ち、マルコが頷くのが見えた。
ねぇねぇ、何の話してたの?