「先輩―?帰りましょ」

「あ、うん」


支度を終えて苗字先輩を迎えに行った。

黙ったまま校門を出てしばらく歩く。


「そういえば、」


先に沈黙を破ったのは、俺。


「今日、なんでこないな時間まで残っとったんですか?」

「あぁ、委員会」

「風紀?」

「そ。来週の校門前服装検査の打ち合わせ」

「それ必要あるんすか?」

「校長の要望だからさぁー」


この校則なんてあって無いような学校で服装検査なんて、なんて面倒なことをしてくれたんやろうか。


「あんまり派手すぎてもダメでしょ。当日はピアス外しなね」

「謙也さんの頭は?」

「あのヒヨコはどうしようも無いっしょ」


確かに今更戻されたとしても、それはそれで気持ち悪い。

それはそうと、そろそろ何か仕掛けないと無駄な下校になりそうだ。


「まあそうっすけど、



先輩」

「何?」

「名前先輩って呼んでもいいですか?」

「・・・・・何急に、別にいいけど」

「おおきに」


そう答えた名前先輩は目をまんまるにして驚いていて、とても可愛かった。
そう、可愛かったんだ。


「名前先輩」

「んー?」

「好きです」

「・・・・・はい?」


でなければこんなこと、絶対口走らなかったのに。


.

[ 2/2 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -