01

 
昔むかし、あるところに、はだの白い、うつくしいむすめがおりました。

むすめは、父おやと、母おやと、しあわせにくらしていたのですが
ある日、こうつうじこでふたりをなくし
ひとりぼっちになってしまったのでした。

かわいそうなむすめが、おはかのまえでしくしくないていると
そこへ、あたらしいお母さんと、おねえさんがやってきました。

「ちょっと、どきなさいよ。なんなの、このみすぼらしい娘は」
「えっ?」

むすめは、聞きなれた声に、ハッと顔をあげました。

「あら、大久保さんじゃない」
「大久保さんじゃありません。私は、あなたの新しいお母さんです」

むすめは、あたらしいお母さんのうしろについてきていた
おねえさんらしきふたりをみると、さらにこう言いました。

「えーっと、そちらの方は、出前かなんかでいらっしゃったんですかね」
「いや、角野卓造じゃねーし!」

こうして、ニノデレラは
あたらしいお母さん、おねえさんたちと
いっしょにくらすことになったのでした。



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