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昔むかし、あるところに、はだの白い、うつくしいむすめがおりました。
むすめは、父おやと、母おやと、しあわせにくらしていたのですが
ある日、こうつうじこでふたりをなくし
ひとりぼっちになってしまったのでした。
かわいそうなむすめが、おはかのまえでしくしくないていると
そこへ、あたらしいお母さんと、おねえさんがやってきました。
「ちょっと、どきなさいよ。なんなの、このみすぼらしい娘は」
「えっ?」
むすめは、聞きなれた声に、ハッと顔をあげました。
「あら、大久保さんじゃない」
「大久保さんじゃありません。私は、あなたの新しいお母さんです」
むすめは、あたらしいお母さんのうしろについてきていた
おねえさんらしきふたりをみると、さらにこう言いました。
「えーっと、そちらの方は、出前かなんかでいらっしゃったんですかね」
「いや、角野卓造じゃねーし!」
こうして、ニノデレラは
あたらしいお母さん、おねえさんたちと
いっしょにくらすことになったのでした。
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