こ
ねた
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化け物と人間が交差する※木花
「愛してるよ木吉」
身体に力なんてもう入らないけれど。
「だから帰ろう、家に帰ろう」
なんとか手を振り絞って、木吉の頭に手を置いて。
「お前が好きなもん作ってやるよ。なにがいい?」
「ああ、どら焼きが好きなんだったな」
「買って帰って、デザートに食べりゃいい」
頭をなでてやって。
手を動かすのすら、まるで鉛がはいっているかのように重いけれど。
優しい木吉を、残して行くのはつらいけれど。
嗚呼けれど優しい木吉だから。
愛されている木吉だから。
他に受け入れてくれる人がいるのだろうから。
俺はきっと、邪魔だから。
「帰ったら、風呂にはいって、飯つくって、それから」
「一緒に飯食って、同じ布団で眠ろう」
「それで、また朝に目覚めて」
「木吉が行きたいっていってた店に行こうぜ」
目の前の木吉の目に光なんてないけれど。
きっと俺のことはおろか、自分のことすらわからないのだろう。
手は攻撃をするための形になっていた。
此処で終わるのはさびしいけれど、それでも。
殺されても、いいと思ったから。
「あいしてるよ てっぺい」
最後に一番綺麗な笑顔で。
「おやすみ」
次に君が目覚めたときは、君のことを受け入れてくれる人に囲まれていますように。
最後に見た木吉の表情は―――――
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化け物木吉と人間花宮のお話
続きの木吉視点は追記にて
気になる方だけどうぞ
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