「そういえば、今日はエイプリルフールだね」
「ああ」
「毎年せっかくだからなにか嘘ついてみようって思うんだけど、結局思いつかないんだよね。紡だったら、どんな嘘にする?」
「急に訊かれてもな……」
「なんでもいいから」
「なんでも……ちさき」
「な、なに? そんなじーっと見てきて」
「髪、寝癖で変になってる」
「えっ、嘘!?」
「ああ。まさか騙されるとは思わなかった」
「あっ……」
「お前、意外と騙されやすいよな」
「紡がわかりにくいの!」
何度も言うけど、朗読劇であったというちさきをからかう紡っていうのがすごく好きなんですよね。