SSS



[15]「ありがとう」






「すまん」
「あはは……大丈夫だよ」

一瞬の出来事だった。組み合ったその時、体が浮いた感覚がして、気がついたら地面に転がっていた。
そして、覗き込んでくるのは自分とそっくり、というよりも同じ顔。
心底申し訳なさそうな表情だ。


「さすがだよ。三郎」


素直な感想を言いながら上半身を起こす。少し背中が痛いが、大したことはない。
「いや……」
三郎の表情は晴れないままで、斜め下を見つめている。
「ぼく、一瞬意識無かった?」
「うん。その瞬間に投げたから」
「そっかあ」
三郎は本当にすごいよ、そう言うと、三郎は泣きそうな表情でこちらを見てきた。


「雷蔵……」
「また一緒にやろうね」


その言葉を言った時、三郎が再び斜め下を向いた。そして、微かに聞こえた声に、雷蔵は微笑む。


「こちらこそ」


それに答えて、今度は二人で笑った。














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双忍でした。二年生か三年生位のイメージです。
なんだかんだでこの二人は親友だと思うのです。


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