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聞けば答えてくれるのだろうか。
「なあ、なんで――」
その後なんて聞いたらいいのか分からなかった。
俺の事好き? なんてそんな事聞けやしない。
じゃあ、勝手に約束をしたつもりになっているセックスはいいのかと自分でも思う。
ラブホテルは学校名の書いてあるジャージでは入れない。
今日の家族の予定は知っている。
別に、負けず嫌いな気持ちでそう思っている訳じゃない。
話をするにしたって人のいない場所の方がいい。
単に今日自宅には誰もいないというだけだ。
ただ、何故百目鬼が一歩踏み込もうとすると一歩引いてしまうのかが分からなかった。
諦めるつもりなら最初から踏み込んでこなければ良かったのだ。
「なあ、俺の家知ってるか?」
「……ああ。」
連れてきたことは無い。
そもそも百目鬼は友達なのかも怪しい。
「俺はいつも、無神経すぎるか?」
「……いや、それはお互い様だろう。」
百目鬼は少し間を置くもののしっかりと返事をする。
別に嫌がっている訳じゃないのか。
彼の考えていることが分からない。
「全国大会はいつから?」
「なんだ? そっちも応援に来てくれるって話か?」
百目鬼がようやく、普通の調子で返す。
このまま、少しずつ、少しずつ、何もなかったかの様にいつもの調子に戻していった方がいいのかもしれない。
それがお互いのために一番だ。
そう思ってる筈なのに、これからしようとしていることは多分それと真逆だ。
ちゃんと話し合って仲直りよりも酷い事なのかもしれない。
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