責任転嫁
(イタチ)
「イータチっ♪」
ぴょこっ、と言う効果音がつきそうなほど可愛らしげに顔を突き出してくる**に戸惑いながらも表情を崩さず冷静に対応する俺。しかし彼女はそんな俺の反応がつまらなかったようで、唇を尖らせて何かをもごもごと呟いている。だが俺からしたらそんな**さえ愛しくて、高鳴る胸の鼓動をそのままに、彼女を素早く抱き寄せて口づけた。
「んっ、ふう、」
口内に舌を入れて彼女の舌を絡めとり、強く吸えばすぐに反応する身体。腕の中の華奢な身体の体温も確実に上昇しており、普段よりも更に色っぽい。しばらく深いキスを堪能した後ゆっくりと離せば、彼女は大きく息を吸った。
「んー、イタチのばか。」
「どの口がそんなことを、」
**だって、キスが好きだろう?
そう問えば途端に赤みを増す顔。その可愛い顔が俯く前に右手で顎を捉え、無理矢理 上を向かせる。そしてそのまま再びキスをしようとした、刹那、反転する視界。
「…どういうつもりだ、俺を押し倒すなんて」
「イタチ…ちゃんと私のこと見てる?」
「は?」
「いっつもキスばっかりして…私のこと、見てる?それとも、キスが出来れば良いの?」
俺が吹き出せば、赤みがかった顔を更に紅潮させて俯く**。腕を引いて抱き締めれば、大人しく俺の胸に頬を寄せた。
「そんなわけないだろう。俺は**が好きだからキスするんだ。」
耳元で愛している、と囁けば、私も、と小さな声で返ってきた返事。目と目が合った瞬間、自然に重なりあう唇。そのまま倒れ込む身体。**が少し不機嫌な顔をしたような気もするが、気にしてなんかいられない。見て見ぬふりをして、カットソーの中に手を滑り込ませた。
「俺を押し倒した責任は重大だ、**。」
責任転嫁
(ごちそうさまでした。)
20120630
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