アルコールは与えないでください


ギャグ甘
カンナ様へ 22500Hit記念



「○○、これやるよ、うん!」
「…お酒?」
「任務先で手に入れたんだけどな、オイラは飲まないからいらないんだな、うん!」
「ありがとう、じゃぁ…いただいておくわ。」
「うん!」


デイダラに訳の分からないお酒をもらい、酒瓶片手に部屋に戻った○○だったが、ここである疑問が浮かび上がった。


「そう言えば、私…イタチがお酒飲んだところって見たことないかも…」


そうと決まれば即実行、○○はイタチを寝室から居間へと連れ出して、酒瓶の前に彼を座らせた。しかし寝起きの彼は当然ながら突然の出来事に何がなんだか分かっておらず、コップに注がれた透明な液体の正体を確かめもせずに一気に喉へ流し込んだ。


「あ!一気飲み…」
「…?これは…」
「ごめん、それ、実はお酒なんだ…」


謝罪のために口を開いた瞬間、酷く強引に捩じ込まれた舌。一瞬何が起こっているのか分からなくて混乱したけれど、私はイタチにキスをされているのだと次第に気付いた。彼の口からはやはり強いアルコールの匂いが漂い、顔は赤く火照っている。どうやら日本酒だけに度数だ高く、回りが早いようだ。


「んんっ、んうー、」


イタチから逃れようと必死に胸を押すが全く効果はなく、余計に絡み付かれる始末。まさかのまさか、イタチって酔うとキス魔になるの?そんな、有り得ない、酔った勢いでキスされてもちっとも嬉しくないし、喜べない。こんなことならお酒なんて飲まさなきゃ良かった、私の馬鹿馬鹿。今更後悔したところで何もかもが遅いのだけれど、とにかく私は二次災害が起こらないように必死に願った。何故ならば、こうなると想定していなかったから部屋のドアの鍵は開けっぱなし。もし誰かが入ってこようものなら地獄(イタチからの熱いキス)が待っている。


「イタチ、離して、っんぁ」
「…○○…」
「イーターチー!」


私とイタチが格闘していたとき、物凄いタイミングの悪さで誰かがドアをノックした。返事をしようにも、私はイタチの口で口を塞がれており、そうこうしているうちにドアノブが回される音が部屋に響く。


「○○ー、いるかー?さっきのお酒、やっぱりオイラもちょっと飲んでみたいんだけど…うん?」
「デイダラ、逃げて!」
「は?なに…が…」

もうイタチにと、誓った。

(デイダラ、これはお互いに禁句よ)
(他言出来るわけないんだな…うん…)


2009.5/11
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thank you!! :)



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