私はあなたが好き



美香様へ 19400Hit記念



いつも上から私を見下して満足そうな顔をして

笑って

そんなあなたにいつかぎゃふんと言わせてやりたいと思うのは悪いことなのかな。



「大体『ぎゃふん』って古すぎるだろ、うん。」
「うぐっ」
「イタチがぎゃふんって言ったらそれこそヤバいぞお前、正気か?まぁ俺は聞いてみたいけどな!ゲハハァ」


たまたま出くわしたデイダラと飛段に尋ねたところ、これだ。あまり良い答えが返ってこないであろうことは予想していたが、まさかこれほどまでに否定をされるとは思っておらず、○○は項垂れた。


「つーか何の作戦もなしにやろうってんのか?まさに自殺行為だぜ、うん。」
「そんなこと言われたって…」
「それよりお前、イタチの女じゃなかったのか?」
「…おい飛段、馬鹿!」
「…彼女のはずなのにこの扱われようだから私はねぇ!!」
「わ、分かった分かった、俺が悪かったから落ち着けって」
「だぁらっしゃあぁあ」

「…○○?」


○○の名を呼ぶ声を聞いて、広間で騒いでいた3人は瞬時に凍りつく。この声の主は100%間違いなくイタチ。自分達が話していたことが聞かれていたとしたら、それこそ3人纏めて血祭りにされかねないのだ。


「あ、○○、ほら、イタチ来たぞ、良かったな。」
「え、ちょっ」
「寂しがってただろ、素直になれよ、うん!」
「はぁ!?」


結果、男2人は見事○○を囮にして足早に逃げ去り、彼女1人だけがイタチの前に放り出された。それから直ぐ様逃げようとした○○だが、着ていたコートをイタチに掴まれてそれは呆気なく失敗に終わる。


「もー…あいつら最低…」
「何を話してたんだ?」
「イタチには関係ないことよ、離して!」
「…俺には言えないことなのか?」
「別になんだって良いじゃない、私の自由だわ。」
「…○○、」
「何っ、」


噛み付くように塞がれた唇。突然息苦しくなってイタチの身体を自分から引き剥がそうと腕を伸ばしたがそれは空を切る。そして私は結局彼にされるがまま、ずるずると部屋に連れていかれてしまった。更に彼は私をベッドに押し倒し、どことなく悲しそうな笑みを浮かべながら腕を縛り上げる。


「お前はいつも俺を逆撫でするようなことしか言わないんだな…」
「…イタチだって、いつも私を見下すじゃない!」
「見下す?俺は○○を愛しているだけだ、この気持ちがお前に解るか?」
「っ…」


イタチにそう問われた私は、ここに来てようやく彼の気持ちを初めて理解しようと努力した。



見下していた?

(違う、あれは心配してくれていただけ。)


馬鹿にしていた?

(精一杯の強がり。)


余裕?

(私に幻滅されることを恐れていたから。)




(そう考えてみたら、物凄く大好きでした)


2009.4/22
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thank you!! :)



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