(現代パロ)


少し息苦しくて体を捩(よじ)ったら、それは彼に抱き締められたまま眠っていたからで、絡まってぴったりくっついた脚がぬくい。なんだか嬉しい気持ちになって、彼の胸に頬をすり寄せたら良い匂いが鼻腔を通る。私のと同じ、ボディソープの香り。私のとお揃いの、ルームウェア。今のテーブルの上には婚姻届。そう、私たちは、今日、結婚する。別に今日が特別な日だとかそう言うことではなくて、たまたま2人でゆっくりできるのが今日だったから。彼が、「だったらこの日に入れようか」って、そう言ってくれた。いつもいつも仕事が忙しくてなかなか時間がないけれど、それでもイタチは私をとても大事にしてくれている。不満なことなど何1つもない。

「…おはよう、」
「おはよ、イタチ。」
「いつから起きてた?」
「さっき。」

拘束して悪かったな、なんて呟きながら、彼は私に絡めていた足をほどいた。別に謝らなくても良いのに、と返そうとした私の唇は、彼の唇で塞がれて。暫くそれに酔っていたところで、突然電話が鳴った。なんて間が悪い。そう思いつつ体を起こそうとするが、彼のキスはまだ止まない。

「ん、んん、イタチ、」
「…電話なんてあとで良いだろう?」
「もう…っん、」

そのまま強引に続行されるキスに応えているうちに、彼の右手が下着のホックを外す。と、彼の唇が私の唇を離れ、胸の頂を思い切り吸った。びく、と跳ねる身体。いつもより数倍性急な彼の行動に頭がついていかず、私は突然与えられた快感のせいで声が震える。

「ど、どうしたの…?」
「今日で『恋人』は最後だからな、」

その台詞が終わらないうちに、秘部へ挿れ込まれた指が私を狂わせた。やめて、と言ってもそれは聞き入れられることがなく、むしろ彼を煽り行為は激しくなるばかり。水音がいよいよ大きくなってきたところで、彼は私に囁く。

「挿れても…良いか?」
「ん…あっ、」

ずぶずぶと押し入ってくる男根を飲み込むたびに、私は喘声をあげる。そのたびに彼が意地の悪い顔で奥をつくものだから、抑えたくても抑えられない。彼はもう、私が一番感じるところを知り尽くしているのだ。このまま彼が私の腰を押さえて激しいピストン運動を繰り返せば、すぐ絶頂へと向かってしまう。そう思いヒヤヒヤしていたところ、彼は突然私の上体を起こし、自分自身は背を倒し仰向けになった。これはいわゆる騎乗位ってやつで、余計に男根が奥へと当たり、そのたびに私は声にならぬ声をあげる。

「ほら、動け。」
「あ、あぁ、ん」
「自分の気持ち良いように動いて、イッて良いんだぞ?」
「はぁ、んっ」

彼が私の腰を押さえてほんの少し動いただけで身体を突き抜ける快感。私はとうとう、その腰の動きに合わせて自分の腰を振り始めた。自分が一番気持ち良いと感じるところに当てられるこの体位は、どちらかと言えば好きなほうで、以前イタチに散々仕込まれたせいもあり、それ以来すっかり得意になってしまっている。

「もっ…とぉ、」
「こうか…?」

ぐぐっ、

イタチが少し腰を浮かせたせいで、より深く繋がる性器。そこに擦り付けるように腰を振る私。いやらしいとか、はしたないとかそんなことすら既に考えている余裕はなくて、ただ本能のままに無我夢中で腰を振った。ふと気づけばお互いに汗だくで、だけど動きを止めることもできない私たちは繋がりながらどちらからともなく深く口付ける。

「ん、んんっ、」
「…ヒメっ、」

彼の男根が私の最奥で止まった瞬間にどくんと震えたのを感じながらひくつく膣。口から漏れる喘声もそのままに、私は彼の胸へと上体を倒した。



2013/05/29
朱々

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