呆けた顔でベッドに座る。
もう少しであの人が来る。
だから私は今日もこうしてここに居る。    

「クク、相変わらずお前はそこに居るんだな、」
「…おかえりなさい」 

私の言葉に返事をすることもなく、彼は自ら服を脱ぎ私に跨がる。
愛撫もなしに熱く太い男根を強く挿し込まれ、私は悲鳴に近い嬌声を上げながらそれを飲み込んでゆく。
しかし彼は痛みに顔を歪める私にはお構いなしに激しい律動を開始し、突然のことについていけない私は中途半端に喘ぐ。
はたから見たら、なんて滑稽な映像、だけどそれを私に拒むことはできない。

「あぁ、あ、ああんっ」
「…ヒメ…」
「っ、…イタチ…?」
「許せ…!」

明らかに私は彼の性欲処理機、けれど私はそれでも彼を拒むことができない。
行為の最中、私に降り注ぐ数滴の涙、その言葉の意味を私は知っているから。
酷いことをされているのに拒まないなんて馬鹿みたいだと罵られても構わない。
私は人一倍夢見がち、いつかこの関係に愛が芽生えると勝手に信じている。

だから今日も私は彼にこの身を捧ぐんだ。


性欲処理機

(それはつまり性欲を処理するためだけの機械)


2009.4/26
暁 朱々

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