(少々お下品です)



嗚呼、

「なぁ?ヒメ」

強く腕を引かれ部屋に押し込まれ

「俺から逃げられると思うな、」

ばんっ、と扉の閉まる音が頭に響く。

「やっと捕まえたぜ…」

私、なにか悪いことでもした?



時は遡り、数刻前。

サスケに対する香燐のイチャつきかたに腹を立てていたのは前からだったが、サスケもサスケで拒まないのはなんでなんだろう?そんな2人に再度痺れを切らし、今度こそ里に帰ってやる!とこっそり抜け出したところまでは良かったのだが、また良いところで見つかって冒頭の様である。水月のやつ、また告げ口したわね!と、彼への怒りも含めて、私はサスケを睨み付けた。そのぐらいで彼が反省するなんて思ってもないけれど。

「なんだ?その目は。俺が気付かないと思ったら大間違いだぜ」
「いい加減にして!毎回言ってるでしょ、私はうんざりなの!!」
「香燐にか?」
「そっ…そうよ!イチャつくならせめて私に見えないところでしなさいよ!有り得ない!!」

床に転んだ体制のまま声を荒げて激怒する私を暫く冷静に見下ろしていたサスケだが、突然笑みをこぼすと口角をニヤリと上げながら私の目の前にしゃがみ、顎を掴んだ。ついでと言っちゃぁなんだが、私に対するこの扱い方も非常に腹立たしい。

「でも…お前、俺のこと好きだろう?」

な、んだ、それ。自慢げに何を言うのかと思いきや、なんですか今のは、この期に及んでナルシスト発言ですか。もう今回ばかりは許せん、私ってばまじ頭にきたんだから!と昂る怒りをそのままに、私はサスケの手を振り払い右足で床をだんっと強く踏み立ち上がる。

「好きだとしたらなんなのよ、だからってそれとこれとは別!幾らなんでも許容範囲を越えてます!!」
「…あぁ、分かった、」
「やっと分かった?ほんと、鈍感っ、ん、」

安堵のため息をつこうとした瞬間、サスケはいきなり私を壁に押し付けて口づけを寄越した。え、なに、今の「分かった」はなに?戸惑う間にも私の口のなかを蠢く舌に、どんどん正常思考が奪われていく。長い長いディープキスの後に、彼はこれまた勝ち誇ったような表情でとんでもないことを言い放った。

「お前、たまってんだろ。」
「んなっ…!!」
「ここ最近相手できなかったからなぁ…悪いとは思ってるんだぜ?」
「いやいやいや、なに言ってんの、!」

突然服の上から下半身の割れ目を押し撫でられて跳ねる身体。感じてしまっているのがさっきのディープキスのせいだとしても、今のサスケには言い訳が通用しないくらいに湿っているそこを執拗に刺激されて、私はとうとう喘ぎ声を漏らす。これではもうなにも言い返せない、それを彼は知ってるんだ。

「この淫乱女、」
「っ…」
「俺とヤりたいなら、素直にそう言えばすぐ抱いてやるんだがなぁ…」
「ち、が…」

反論も虚しくベッドに押し倒され、彼は私の衣服をいとも簡単に剥ぎ取ってしまう。彼の指が、私のクリトリスをきゅっと摘まむと同時に思い切り反り返る背筋。まるで身体が自分のものではないかのように心と真逆の反応を示す。そんな私を見て、サスケは相変わらず不適な笑みをこぼしていた。

「…何がしてほしいか言ってみろ」
「別にしてほしいことなんてない!強いて言うなら今すぐ離してっ」
「素直じゃねぇな」

そう言い捨てると、彼はほとんど愛撫をしていない蜜口に右手の指を2本突き入れた。痛みに顔を歪めるけれど、そんなのちっとも効きやしない。むしろ楽しそうに微笑いながら挿入した2本の指をバラバラに動かして私を弄ぶんだ。そうして私の淫液に濡れててらてらと光る指をわざとらしく目の前に広げる。無理矢理指を突っ込まれて掻き回されたら嫌でも濡れるってわかってるのに、わかってるくせに意地悪なことをする彼に余計にカチンとくるけど、もう私には怒る気力など残っていなかった。

「こんなに濡らして…それでもしてほしいことないのか?」
「…っ」

でも、サスケが私に「言ってほしい」と思ってるのだって、私はお見通しだ。

「…さ、サスケの…ほしい…です」
「俺のなにが?」
「サスケの、お…おちん、ちん」
「どこに?」
「私の…ここ…」
「どこ?」

あまりの言葉攻めに、恥ずかしすぎて顔が蒸発してしまいそうなほどに熱い。サスケが余裕のなさそうな顔で服を脱ぎ始めているのもわかってる、次に彼が欲しがっている台詞もわかってはいるけれど、流石にこればっかりは言いづらい。まぁ、彼はそれを言わせたいんだろうけど。だから私は、今できる精一杯の抵抗をした。

「サスケは…挿れたいとこ、ないの?」
「は?」
「だから…サスケは、したいことないの?」
「…」
「私は、サスケのがほしいって言ったよ…」

なにも言わずに固まるサスケの唇を食むように口付けると、彼は「調子に乗るな」、と呟きながら私をまた押し倒す。なぁんだ、私が売った喧嘩は買ってくれないのか、そう思いつつ彼のものを受け入れる覚悟をしていると、彼は男根の先を蜜口に宛がいながら真っ赤な顔で言い放った、

「ヒメの性器にぶち込んでやるから覚悟しろ」

…なんか違う。

期待が大きく外れたために神妙な顔をして硬直する私の蜜口に男根を挿入しながら、サスケは私を抱き締めて「愛してる」と囁く。その一言ですべてが許されると思ったら大間違いだけど…えっちが終わるまでは、まぁいいか。そう思いながら、私は彼の首に腕を回した。


言葉攻め

(いい加減に香燐とイチャこくのやめなさいよ!)
(…そうでもしないと、ヒメ焼きもち妬いてくれないだろ)
(!!)


2013/06/13
朱々

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