>> middle text 最後まで踊り終えて、余韻を残して立ち上がる。…何も聞こえないのが怖いんですががががが。……え、マジでどうしたん!?照明が眩しすぎてみんなの表情まで見れないのが余計に怖いんですが!やっぱあれ?メロディー部分ラララで歌ったのアウトでした!? 状況が把握出来ていなくて混乱していた時に、さらに混乱の渦に突き落とされた。突然誰かに抱きつかれました。この青い着物、そしてこの芳しい香り。 三 日 月 様 じゃ な い で す か ! ! え、ちょ、何これどういう状況!!? あぁ…いい匂い…白檀?伽羅?……じゃないわ!何で抱きつかれてるの私!?恐れ多くて震えるわ! 三日月様、よしよししないで!落ち着いている場合じゃないのよ私!! 一頻り混乱して、やっと解放されたと思ったら、今度は両手を捕獲された!?何だよ主か!何で泣いてんの?ありがとうって…ああ、この曲に感動したのか。うんうん。いい曲だよね〜。でも、取り敢えず泣き止もう?大の男がガチ泣きはヤバイよ、うん。でも、主に喜んでもらえて良かったわ、ほんと。あと三日月様?背中抑え無くても、主から逃げたりしませんよ? 宴はおじいちゃん達が眠いと訴えだしてたたみかけるようにお開きになった。手伝おうとしたけど、着替えとかで時間がかかるだろうからと断られ、化粧落とし貸すからと加州くんの部屋に連れられているところ。そういや、忘れてました化粧落とし。マニキュア落としの除光液も。加州くんに女子力で盛大に負けている。もはや勝てるところもない。ああうん。最初から負けてたよね!知ってた!ところで加州くん、大丈夫?さっきからずっとずびずびしてるけど。 「加州くん、風邪?」 「は!?違うし!いいからほら、入る!」 風邪ではないらしい。加州くんと安定くんの部屋に押し込まれてしまった。 …マニキュアを落としている間も化粧を落としている間も、全然顔が合わないんですが。やっぱり女子力高い加州くんから見たら変な化粧だったんだろうか。 「ごめんね」 「え、いきなり何?」 「下手だったでしょ?」 はあ!!?と加州くんは勢いよく顔を上げた。あ、やっとこっち見た。あれ? 「赤く、なってる…」 そう言って赤い目の下を撫でると、顔中赤くなった。 「ちょっと、見ないでよ!…じゃなくて!(歌と踊りが)下手なわけないでしょ!凄く綺麗だったよ、本当に!」 「ほんと?嬉しい(化粧を誉めてくれて)」 「だからっ!だから、またして見せてよ(歌と踊りを)」 「…うん。でもこういうの苦手で…」 マニキュアとかマジで細かいの無理。はみ出る!と思って、もうマニキュア落としたけれど手をヒラヒラ振った。その手をガシッと捕まえ、加州くんがずいっと顔を近づけてきた。わー、お肌綺麗〜。世界一可愛いわ〜。 「じゃあ俺が可愛くデコるから!可愛くしたらまたしてくれる?(踊りを)」 おっと一瞬気がそれた。気分転換にマニキュア塗るのもいいな。塗ってくれている間の美容のうんちくはためになるし。 「…うん。たまになら(化粧してみてもいいよ)」 「やったじゃあそのときは張り切ってデコっちゃうね!」 加州くんも楽しそうだし、非番の日くらいはいっか。とお気楽に決めた私は知らない。デコってもらうたびにダンスをせがまれることを。横文字の説明にとても苦労した結果、日本語に替え歌ををして歌うようにようになることも。恋愛の歌で相手は誰だと大騒ぎになり、替え歌したり封印したりと気を使うようになることも。短刀の子たちに教えて一緒にダンスすることも。そこから本丸中に広まって、ダンスの先生役みたいな役割を頼まれるようにようになることも。大いに乗り気な主によって音楽関係専門の離れが出来て、内番にダンスが加わることも。ダンス内番で踊れないグループが演奏専門になってバンドが結成されることも。さにさに動画でトップになることも。私がダンス内番の取り纏めとして、引っ張りだこで忙しくなることなんて。 すべては別のお話なのである。 …どうしてこうなった!? -- 美桜璃様、本当にありがとうございます!主くんは普段悪戯したりする愉快犯だけど、ちゃんと刀剣たちのことを考えて行動する人ですよ!合ってます間違ってないです。 無理に言ってサイトに貼らさせていただき、本当にありがとうございます。読み返してニヤニヤしちゃいます。 これからも頑張りますので宜しくお願いします! [*prev] [next#] [back] [しおりを挟む] |