1

(※せんせいを先に読む事をオススメします)


「せんせー」

「もうお前の先生ではない」

「えへへ、つい癖で」


あれから私はキメ学を卒業しめでたく正式に付き合う事になった今、義勇さんのお家のベッドでまったり中。
意外と先生の部屋はシンプルでおしゃれな部屋で驚いたのはこの前の事。

高校を卒業してすぐ、義勇さんが私の家に挨拶に来てくれた。
教師でありながら私を好きになってしまったって言った時は流石に正直すぎてビックリしたけど、家はどちらかと言うと放任主義のお気楽両親だったから素直でよろしいで終わったっていう…。

適当な両親だと思ってたけど、根本では私を心から愛してくれていたのも分かったし義勇さんを認めて歓迎してくれた事は凄く嬉しかった。

だからこうして親公認の元、義勇さんの彼女として正々堂々家にだって遊びに来ることが出来ている。

卒業して、私が高校生の肩書を無くしてから義勇さんは凄く甘やかしてくれたし愛してくれた。
毎日キスだってしてくれるし、抱き締めてくれる。

兎に角私は幸せな日常を過ごしていた。


「月陽、明日の仕事は休みか」

「うん!だから今日はお泊りするつもり」

「なら少しくらい夜更ししても大丈夫そうだな」

「やだー、えっち」


ベッドの上でごろごろしていた私の腰を捕まえて引き寄せた義勇さんが頬やおでこにたくさんキスをしてくれる。
付き合ってから既に私達は1年半も過ごしてるし、私の全ては捧げ済みだ。


「そういう意味で捉えられてもいいが、今日は別件だ」

「え?何ですか?」

「これを」

「?」


いつの間にベッドの下に隠していたのか、シンプルな封筒を私にくれた。
中を開いてみると可愛らしい鍵が入っているけど、義勇さんの部屋の鍵では無いし既に貰い済みだ。

それならこれは何の鍵だろうと頭の中でぐるぐる考える。


「これ、なんの鍵?」

「行けば分かる」

「へ?」


義勇さんのその言葉と共に部屋の玄関が開かれて、何だか見たことあるような男の子達が現れた。

そして突っ込む暇もなく怖そうな車に運ばれていく。
え、何。何なの?私義勇さんに何かしちゃったっけと思う間にも玄関に立つ義勇さんが遠ざかってしまう。


「ぎ、義勇さん!?」

「安心していい」

「何が!?」

「失礼しまーす!月陽さん車入りまーす!」

「月陽さんの身体全部すっごい柔らかい!最高!!こんな素敵な女性をあの野郎独り占めしやがって!」

「うっせぇ紋逸!たかが冨岡の女だろうが!騒ぐんじゃねぇ!!」

「はいはーい、後は任せなさい」


このやり取り何だか聞き覚え凄くあるんだけど、そんな事より目の前に梅ちゃんが居るのに驚いた。
義勇さんに追い掛け回されてばかりなのに。

私は一瞬で化粧をされ、お兄さんと思わしき人にOKサインを貰うとまた車のドアが開く。
今度は蜜璃さんとしのぶさんが目の前に立ってて、金色のドアを開けられて中に招かれた。


「あ、あの…」

「月陽さん、さぁこれを」

「え!?あ、はい!」

「素敵よ、月陽ちゃん」


Aラインの白いワンピース、それに合わせるように飾られる真珠のネックレス。
何がどうなってるのか分からないけど、心が凄くドキドキした。

散々褒めてくれた二人からも結局真意を聞き出せなかったけど、もう一度開いたドアの先にまた別の高級車が止まっていてストライプのワイシャツを着た伊黒先生に無言で導かれる。
中では煉獄先生と、運転席には宇髄先生も居た。


「おっ、派手に似合ってるじゃねぇか!」

「うむ!綺麗だぞ、月陽」

「宇髄先生に煉獄先生…お久しぶりです!」

「よもや教え子だった月陽のこんな姿を見れるとは!なぁ宇髄!」

「教師冥利に尽きるってか」

「何故俺がこのような事をしなければならないと思っていたが、まぁ悪くは無い。馬子にも衣装だな」


キラキラ目の前が光って見える。今日は何かあったっけ、特別な日であったなら私が忘れる事はないんだけどと話し掛けてくれる元先生達は何も教えてくれない。

着いたぞと言われた先は大きなホテルの入り口だった。

[ 66/126 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -